コロナ禍でもっとも大きな打撃を受けた業界の一つが飲食店です。
緊急事態宣言によりお店を開けられなかったり時短の影響があったり、お酒の提供ができなく閉店に追い込まれた店舗様も多いです。
そんな中で飲食店の開業を躊躇される方も多いと思いますが、これからワクチン接種が進み飲食店開業を検討したい方向けに、
・これからの飲食店開業のトレンド
・飲食店開業にあたって必要な作業
・飲食店開業にあたってかかる費用相場
を解説していきます。
これからの飲食店開業のトレンド
飲食店の開業トレンドはコロナで大きく様変わりしました。
倒産する飲食店も増え、新規の飲食店出店も控える人が増えました。
今後の飲食店経営はどうなっていくでしょうか。
ワクチン普及によるリバウンド期待
まず飲食店開業にあたり期待したい影響がワクチン接種によるリバウンド期待です。
緊急事態宣言やマンボウにより減っていたお客さんが2021年末にかけてワクチン接種率が上がるに連れて戻ってくることが期待されています。
宣言しては戻すを繰り返していましたが今回はワクチンという武器がありますので今までよりも期待値は高いでしょう。
旅行も同じですが今まで貯めていた外食需要が爆発する可能性も秘めているので、開業を検討される方は是非気にしたい影響です。
飲食店はポートフォリオ経営の時代へ
コロナにより飲食店が店舗にお客さんを呼ぶ形のみの一本足打法はリスクが大きいという認識が多く広まりました。
今後外食にお客さんが戻ってくる際においてもこの傾向は変わらないでしょう。
・デリバリーの活用
・テイクアウトの用意
・ECの活用
など、単純な店舗へお客さんを呼ぶ形式以外にも様々な形でお客さんのニーズを満たし収益を上げていく必要が出てきます。
「ポートフォリオ経営」とも呼ばれますが、飲食店にもこのトレンドが来ており今後も継続するでしょう。
バーチャルレストラン・ゴーストレストランを活用する流れ
コロナ禍で拡大したものの一つにバーチャルレストランがあります。
これは
「飲食店の既存のキッチンを活用してデリバリー専門の別ブランドを展開する(ハイブリッド)」
「既存のブランドをデリバリー専門店として展開する」
ようなことを指します。
(幅広い意味や定義が存在します)
吉野家が安い賃料という特性を活かし、デリバリー専門店を展開し始めたことも話題となり広まりました。
※参考:「吉野家に見えない吉野家」が世田谷で発見される
こうしたデリバリー専門店の流れや、既存の飲食店を続けながら別ブランドでデリバリーを展開するなどの事例も増えていくと予想されます。
CRMの必要性の高まり
今後の飲食店経営ではCRMの重要性が高まっていくと予想されます。
CMRとは「Customer Relationship Management」の略で「顧客管理」という意味合いになります。
コロナ前後で飲食店の経営環境は大きく変わってしまいました。
例えばコロナ前と後でユーザーの行動は以下のように変わりました。
コロナ前の例
理解しやすくなるための一例ですが、以下のように外食メインの人が多かったのがコロナ前です。
お客様Aの一ヶ月の行動
・店舗Aへ来店
・店舗Bへ来店
・店舗Cへ来店
・店舗Aへ来店
コロナ後の例
ところがコロナを経てユーザーの行動は大きく変わりました。
例えば以下のように今までは外食中心だったのが、
お客様Aの一ヶ月の行動
・店舗Aへ来店
・店舗Aでデリバリー注文
・店舗Bでテイクアウト注文
・モツ鍋のEC、自炊を利用
のように、デリバリーやテイクアウト、ECや自炊の増加などライフスタイルが大きく変わりました。
実際にUSEN Mediaの調査によると外食が減り、その代わりに他の領域が非常に伸びているのがわかります。
その中で重要なのは、お店のファンの人に以下に使ってもらえるかです。
・店舗に来てもらってテイクアウトやデリバリーも頼んでもらう
・デリバリーからお店を知って来店してもらう
・クーポンを渡して次回ももう一度来店してもらう
など、いかに自分のお店のファンになって何度も使ってくれるか、外食が減っていく中でそういった「一度来店して終わり」ではない「顧客管理」が求められる時代になっています。
ストーリー性、行きたくなるお店になる施策
最近はストーリー性のあるお店も人気です。
インスタグラムを駆使して探す人が増えているので「インスタ映え」するメニュー開発なども重要かもしれませんが、最近ではクラウドファンディングを活用してプレミアムチケットを販売し資金を集めつつファンを醸成するという手法も増えています。

招待性やプレミアム会員等の希少性で話題
※https://www.makuake.com/project/nikugatou03/
こうしたストーリー性や希少性のあるお店という訴求も最近のトレンドです。
飲食店開業にあたって必要なプロセス
それでは続いて具体的な飲食店開業にあたっての作業です。
あくまで一部となり、また開業したい内容や規模により異なりますので詳細を知りたい方はお問い合わせください。
不動産・物件を選ぶ
飲食店の基盤となる物件を選びましょう。
物件は事業用不動産に強い不動産会社に紹介をしてもらったりいぬき物件が探せるサイトなどで探します。
https://www.abc-tenpo.com/
規模やエリアによって予算も坪数も大きく変わるため一概には言えませんが、飲食店経営に置いて立地は非常に重要なため慎重に選びましょう。
物件の工事、施工
物件が決まったら自分のイメージにあった内装にしたりWIFIの設置をしたり工事が必要になるでしょう。
これもどんな飲食店にするかで全く異なりますので、専門家に相談が必要になるでしょう。
できるだけコストはかけたくないでしょうが、お店を見た人が入りたくなるようなこだわりの設計にしたいと思いますので、
バランスが非常に難しい領域です。
その他必要備品の用意
家具にフライヤーや冷蔵庫など調理関連器具、照明にBGMにレジにWIFIなど、用意するものは山ほどあります。
これも予算とこだわり次第でいくらでもお金をかけられますが、自分のお店にあった範囲で準備をしていくことが求められます。
資金を用意する
一般的に不動産と内装工事でかなりコストがかかりますし、家具を用意したり開業時にはまとまったお金が必要になります。
自己資金で賄える場合は別ですが、基本的には創業融資を獲得したり資金の工面が必要になります。
こちらも金額次第ですが大きな投資になりますので専門家の意見を聞きつつ進めるのが望ましいでしょう。
必要な資格の取得・申請
飲食店の開業にはいくつかの資格や届出が必要です。
「食品衛生責任者」や「防火管理者」など、定められている責任者であったり営業許可など飲食店ならではのこともあります。
意外に時間がかかる内容だったりするため早めに検討をしておきましょう。
人の採用とトレーニング
場所や内装が決まり、必要な道具類も用意できたら次は人です。
ホールやキッチンスタッフなど、バイトや正社員など予算の許す範囲で必要な人を採用する必要があります。
また飲食店ですから事前のトレーニングも必須でしょう。
オープニングスタッフには研修やリハーサルなどを通してお客様に満足いただけるよう準備をしていく必要があります。
マーケティング活動
いよいよ開業の日を決めたらできるだけ多くのお客様に伝わるよう宣伝活動をしましょう。
チラシを配るもの良いですし、ホームページやSNSなどあらゆる宣伝手段を使ってお店のことをPRしましょう。
開店記念キャンペーンなどでお客様に興味を持ってもらうこともお勧めです。
飲食店開業にあたってかかる費用相場
飲食店の費用相場はよく聞かれるのですが、状況によって違いすぎて相場というものが難しいのが実態です。
というのも開業費用の大多数は不動産や内装準備、店舗備品の用意などハード面の用意だけで高額になってしまいます。
立地や坪数次第では数千万かかるのが普通ということもあります。
特に立地によって不動産の価格は大きく変わリます。
事業用不動産は保証金で6ヶ月分や1年以上分かかるケースが多く、賃料が高いエリアや広さだとそれだけで非常に高額になってしまいます。
飲食店コンサルティングの方に伺うと、相場というものはないが開業の目安としては約1,000万〜程度が目安になるだろうと言っていました。
(高額な立地ではない前提)
飲食店の開業は相場と呼べるものがないくらい様々な費用がかかります。
専門家にもアドバイスをもらいながら開業の準備を進めていくのが大切です。
飲食店開業の夢を叶えましょう!
飲食店開業は様々なことをやる必要がありますが、コロナにより更に多様なことを検討していく必要に迫られるようになりました。
もし気になることやアドバイスが欲しい方はお気軽にお問い合わせください。
専門家の知見を仰ぎつつ、自分の夢を是非叶えましょう!