コロナ禍でもっとも大きな打撃を受けた業界の一つが飲食店です。
緊急事態宣言によりお店を開けられなかったり時短の影響があったり、お酒の提供ができなく閉店に追い込まれた店舗様も多いです。
そんな中で注目を集めているのがこのバーチャルレストラン(ゴーストレストラン)です。
コロナ禍によるデリバリー市場の拡大と合わせ、バーチャルレストランがコロナ禍で大きく話題になりました。
この記事では
- バーチャルレストランとは?ゴーストレストランとの違いは?
- バーチャルレストラン開業までの流れ
- バーチャルレストラン開業資金の相場
バーチャルレストランとは?ゴーストレストランの違いは?
バーチャルレストランやゴーストレストランは同じものと捉えている人も多いです。
実際に、明確な定義は定まっていないのが現状で、実態に合わせて両方同じ意味で使っている人もいます。
その中で以下のような違いがあるとされています。
- バーチャルレストラン:実店舗がある状態で、そのキッチンを使い別のブランドをデリバリー展開する
- ゴーストレストラン:実店舗がない状態でデリバリー向けレストランを展開する
一般的には実店舗の有無で意味が変わると言われています。
バーチャルレストランとクラウドキッチンの違いは?
バーチャルレストランやゴーストレストランの他にクラウドキッチンという概念もあります。
クラウドキッチンはシェアキッチンとも呼ばれ、キッチンをシェアする形で様々な人や会社が使えるようにしてデリバリー用の料理を作るために作られたキッチンをいいます。
出前館がクラウドキッチンを併設したデリバリー旗艦拠点を開設をして話題になりました。
※参考:複数クラウドキッチンを併設したデリバリー旗艦拠点を開設 ~第一期、入居者募集開始!
出前館がインキュベーションキッチン™プロジェクトの第一弾として、黒毛和牛焼肉店「うしくろ」の“店舗を持たないフードデリバリー専門店”の起業をサポートを開始します。本日のテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」でも紹介される予定ですので、ぜひご覧ください。https://t.co/taPbcA16Gw
— 出前館【公式】 (@demaecan) June 29, 2018
デリバリー・宅配専用のキッチンを運営するクラウドキッチンというスタイルも今後主流になるかもしれません。
バーチャルレストランの特徴は?
バーチャルレストランの特徴は飲食店の既にあるキッチンを使って追加でかかるコストを最小限にして始めることができる点です。
デリバリーはどうしても「冷めやすい・お客様に提供するまでに時間がかかる」という特徴があるので、提供している料理によってはデリバリー向けの商品を開発する必要があるかもしれません。
そうした際にデリバリー専用のブランドで展開をするということは収益を増やす手段として魅力的でしょう。
またバーチャルレストランはFC(ブランドを借りる形)も盛んです。
バーチャルレストランに関して詳細を知りたい方は是非お問い合わせください。
ゴーストレストランの特徴は?
ゴーストレストランは既存の店舗を持たない形で開業をする形態です。
先程紹介したようなクラウドキッチンを利用して開始をするなどが一般的ですが、マンションの一室で始めている会社などもあるようです。
飲食店を経営する上で一番コストの重しになるのが不動産に関連する費用です。
不動産を借りるにはお金がかかりますし、調理に関わる器具を一から揃えると大きな初期投資が必要となります。
そういった意味で店舗を借りるコストを最小限に抑えることができるゴーストレストランは、商品のマーケティング検証に使われていたりもするようです。
実際に店舗を借りて人気が出ないとリスクが大きいですが、コストを最小限に抑えつつ調査をしてみて人気が出たら店舗を借りて開業をするというような形も増えていくかもしれません。
バーチャルレストラン・ゴーストレストラン開業にあたっての必要なプロセス
それでは続いて具体的なバーチャルレストラン開業にあたっての流れを解説していきます。
あくまで一部となり、また開業を検討されている内容により異なりますので詳細を知りたい方はお問い合わせください。
不動産・物件を選ぶ
バーチャルレストラン開業の場合は既存の店舗のキッチンが軸となりますので、不動産を新規に選ぶ必要はないと思います。
ゴーストレストランの場合は先程のクラウドキッチンなど、開業をする場所を選択しましょう。
規模やエリアによって予算も坪数も大きく変わるため一概には言えませんが、基本的にデリバリーのみで収益を上げていく形になると思いますので立地は非常に重要なため慎重に選びましょう。
キッチンの工事など準備
こちらは必要に応じてです。
バーチャルレストランの場合は既存のキッチンを活用すると思いますが、例えばからあげを販売しようとしているのにフライヤーがなければ作ることが難しくなります。
提供する料理などに合わせて必要な設備を整えましょう。
ゴーストレストランの場合も同様です。
クラウドキッチンを活用する場合は不要かもしれませんが、提供する料理に合わせて必要な設備を用意しましょう。
その他必要備品の用意
デリバリーを中心にした事業になると思いますので、デリバリー用の容器や箸などカトラリー類の用意が必要です。
提供するブランドのロゴなどを入れたりするとよりロイヤリティを高めることにつながるのでおすすめです。
料理に利用する箸や鍋、その他調理機材と合わせて用意をしていきましょう。
資金を用意する
一般的に飲食店の開業となると、数千万程度のコストが掛かることも珍しくはないですが、
バーチャルレストランはその性質上比較的低コストで始めることができます。
一方で、設備を整えたり不動産を借りる必要がある際などはまとまったお金が必要になります。
自己資金で賄える場合は別ですが、必要な場合は融資なども検討しましょう。
現在は事業再構築補助金を活用しての開業を検討される方などもいらっしゃるようです。
必要な資格の取得・申請
飲食店の開業にはいくつかの資格や届出が必要です。
「食品衛生責任者」や「防火管理者」など、定められている責任者であったり営業許可など飲食店ならではのこともあります。
バーチャルレストランやゴーストレストランに関しても飲食業になりますので、適切な資格が必要になります。
一方で、こういった事業は最近増えた事業ということもあり、展開するサービス形態によっても違い明確にどの資格が必要と言い切ることが難しいのが実態です。
今既にある飲食店営業許可でいいのか、新たに展開するブランドも必要なのか等、必ず必要な資格は何かを保健所に確認・相談するようにしましょう。
人の採用とトレーニング
場所や内装が決まり、必要な器具も用意できたら次は人です。
飲食店ですから事前のトレーニングやマニュアル化も必須でしょう。
お客様に満足いただけるよう、しっかり採用や研修の準備をしていきましょう。
マーケティング活動
いよいよ開業の日を決めたらできるだけ多くのお客様に伝わるよう宣伝活動をしましょう。
バーチャルレストランやゴーストレストランは基本的にデリバリープラットフォームを使って販促をします。
- Uber Eats
- Wolt
- 出前館
- menu
などいくつかのデリバリーサービスを併用することも可能です。
手数料が異なったりしますので、どのサービスを利用するかよく考えましょう。
またホームページやSNSなどあらゆる宣伝手段を使ってお店のことをPRしましょう。
Googleマイビジネス(ビジネスプロフィール)を活用して告知をすることも大切です。
バーチャルレストラン・ゴーストレストラン開業にあたってかかる費用相場
バーチャルレストランの開業は非常に安価に済む可能性もあります。
既存のキッチンを活用してデリバリーを展開する場合は、ものによってはデリバリー用の機材や食材用意などで10万円程度で開業をすることも可能です。
ゴーストレストランのようにある程度キッチン用の物件を用意する必要がある場合は別です。
一般的に開業資金に大きく影響するのは以下と言われています。
- 不動産にどこまでお金をかけるか
- 調理器具にどこまでお金をかけるか
例えばフライヤーなどの器具を新規に用意する必要があると大きくお金が必要になりますし、不動産も同様です。
どこまで用意するかにより数十万〜500万程度と大きく幅が出ますのでご注意ください。
バーチャルレストラン・ゴーストレストラン開業の検討をしましょう
コロナで飲食業界が苦しくなる中で今増えているのがバーチャルレストラン・ゴーストレストランです。
まだ新しい業種になりますので、開業をする際は保健所ともしっかり相談をしながら進めることをおすすめいたします。
もし気になることやアドバイスが欲しい方はお気軽にお問い合わせください。
専門家の知見を仰ぎつつ、自分の夢を是非叶えましょう!