税理士の資格はを取得すると事務所で働くこともできますが独立開業を目指す人も少なくありません。
この記事ではこれから税理士として開業・独立を検討する人に、
- 税理士の開業・独立の流れと成功する上で大事なこと
- 税理士の開業資金相場
税理士の開業・独立の流れと成功する上で大事なこと
税理士を目指す人の多くが将来的な独立や開業に関しても検討していると思います。
税理士は資格取得(試験合格)の難易度が高く、またいわゆる下積み期間も必要で開業や独立は簡単ではありません。
その分、専門性を活かして活躍できる部分も大きいでしょう。
それでは具体的な税理士の独立・開業にあたっての基本的な流れを紹介していきます。
試験に合格し、実務を経験する
税理士の開業・独立をするには当然税理士の資格が必要となります。
税理士試験に合格するのは難易度が高く簡単ではありません。
また試験に合格さえ取ればすぐに開業出来るかと言うとそうではありません。
税理士名簿に登録するためには決められたた業務に従事した経験が通算して2年以上あることが条件となるため、
試験に合格をしたとしてもまずは実務経験が必要となります。
中には働きながら試験の勉強をする人もいます。
難易度が高い資格のため、実務経験も考慮したキャリア設計が必要となります。
税理士名簿に登録をする
税理士の資格と実務経験の要件を満たしたら、税理士名簿に登録をします。
税理士名簿に登録をするためには、日本税理士会連合会に登録申請をする必要があります。
以下の日本税理士会連合会のページを確認し、登録要件をしっかり確認しておきましょう。
※参考:https://www.nichizeiren.or.jp/
開業・独立をする事務所の不動産・物件を選ぶ
税理士登録ができて開業・独立をする準備が整ったら、どこに開業・独立をするかを選びます。
いくつかのパターンがあり、事務所を借りる場合大きな費用がかかるため最初は最小限にしている方もいらっしゃいます。
専用の事務所を用意する
独立した事務所を用意する形です。
最終的には自分の事務所を持って開業したいという人が多いでしょう。
お客様が感じるイメージも圧倒的によく他の業者から見たときの安心感にもつながります。
金銭的に余裕があり、お客様の見え方や信用としても安心な経営をしていきたい場合は事務所を借りて運営をしていきましょう。
シェアオフィスなどを活用する
税理士に限らず、ベンチャー企業などでシェアオフィスを活用するのが増えています。
月額数万程度から借りられて、個室があるパターンやないパターンもあります。
税理士はお客様とコミュニケーションを取る機会が多いため、完全なシェアオフィスよりは個室完備のほうが望ましいでしょう。
一方で個室を用意すると結局高額になるため予算と相談しながら検討を進める必要があります。
自宅で開業をする
税理士は自宅で開業をすることも可能です。
自宅での開業は初期費用を大幅に抑えることが出来るメリットがありますが、管理規約などにも気を配る必要があるのでご注意ください。
自宅兼事務所だと打ち合わせがしづらかったり、お客様に与える印象も変わりますのでじぶんにあった形を選んで行きましょう。
事務所を借りる借りないで開業資金は大きく変動します。
将来的なことを見据えつつ、事務所を構えるか・場所はどこにするかなどを検討していきましょう。
内装工事・必要備品の用意
事務所を借りる場合、一般的な事業用不動産やオフィスを借りると思いますので基本的には大きな内装工事などは発生しないと思います。
しかし、自分好みのオフィスにしたい・ロゴや会社らしさを取り入れたいなどある程度の内装変更は発生するでしょう。
またデスクや椅子、コピー機や電話、そして当然業務に利用するパソコンの用意など必要な備品を準備していく必要があります。
業務に必要な備品や家具を用意して独立に備えましょう。
資金を用意する
税理士の開業は主に不動産関連費用に大きく資金が必要となります。
事務所を用意する場合の初期費用や家具、プリンターや名刺などで資金が必要になります。
自己資金のみで開業をされる場合も多いですが、自己資金だけで用意しきれない場合は創業融資などの検討をしましょう。
人を採用する、研修をする
一人で開業というケースもあると思いますが、事務員やパートナーなど開業をする上で必要な人材の採用や研修を進めておくことが必要です。
税理士の仕事は事務作業が多く、向き不向きもあると思います。
うまく分業出来るようオペレーションの設計も必要になります。
採用や研修は意外に時間がかかるため、早めに準備を進めておきましょう。
人気の税理士になるために準備しておきたいこと
税理士を利用する方に聞くと、「どこでも変わらないのではないか」と言う方もいらっしゃいます。
一方でたくさんのお客様を獲得している税理士と、お客様を獲得できない税理士もいます。
たくさんのお客様に依頼してもらえるよう以下のような準備・工夫をしていくことが大切です。
士業間でのつながりを強化しておく
当たり前にはなってしまいますが、士業は横のつながりが非常に重要な業界です。
お客様は紹介経由がほとんどということも多く、他の業界との大きな違いはこの「紹介」があげられるでしょう。
他の税理士はもちろん、不動産会社や弁護士、またお客様からの紹介なども含めつながりが大事になってきます。
その分、ネットワークがない中でいきなり開業・独立というのはリスクが高く、
できるだけお客様を既存のネットワークで獲得できるようになったタイミングでの独立が望ましいです。
士業同士の集まりなどを利用してたくさんネットワークを作っておくことが求められるでしょう。
freee認定アドバイザーなどを活用する
様々な業界でfreeeを使って開業をする人が非常に増えています。
そうしたサービス経由で税に関する依頼をもらうこともできます。
お客様の依頼がたくさんもらえるよう常にアンテナをはっておきましょう。
インターネット上でマーケティング活動をする
インターネット上にホームページを作ってアピールすることも大事です。
最近は力を入れている人も増えてきました。
チラシや役場での広告などオフラインのマーケティングも重要ですが、最近は税理士などもオンラインで探す人も増えてきているのでオンライン上でもPRを欠かさないようにしましょう。
特に事務所を構える場合はGoogleマイビジネス(ビジネスプロフィール)を活用するのがおすすめです。
無料で利用できますし、口コミが入れられるようになっているためうまく口コミを集めるとあなたの税理士事務所を選んでもらいやすくなります。
以下はGoogleマイビジネス(ビジネスプロフィール)でやるべきことのまとめ記事となるのでぜひ参考にしてみてください。

既存のお客様を大切にする
一番多いケースが既存のお客様を継続的にご支援しているケースでしょう。
依頼する側も税理士を何度も変えるのも面倒ですし、一度依頼してしまえば極力同じ人に頼みたいと思うのが一般的です。
既存のお客様を大切にすることが何よりも肝要となってくるでしょう。
税理士の開業・独立資金の相場
税理士登録をするための費用が概ね30万円程度かかります。
それ意外では以下のような要素で開業資金は大きく変わります。
- 独立した事務所を設けるか、どこに不動産を借りるか
- 内装・家具をどこまで揃えるか
- 人材をどの程度採用するか
共通してかかる登録関連費用の約30万円意外はどういった事務所にするかでほとんどが決まります。
都心の良い場所に事務所を構えると初期費用は高額になりますし、高級な家具などを揃えると大きな費用が必要となります。
あくまで目安となりますが、簡単なHP作成なども合わせるとおおよそ100万円〜200万円が開業相場としてあり、
あとはそこにどれだけ事務所や家具、人材採用に関して追加でお金をかけていくかで開業資金は決まるでしょう。
ご自身の予算と相談しながら検討をしていきましょう。
開業は1件1件の個別性が大きいため、具体的なかかる費用に関して専門家などに確認するようにしましょう。
税理士の開業のノウハウを知り準備を進めましょう!
税理士の開業・独立には様々なことをやる必要がありますが、特に大事なことを解説しました。
専門家の知見を仰ぎつつ、独立・開業に向けて準備を進めましょう!