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店舗経営に向けて勉強!会計・財務やマーケ...

店舗運営

2025.09.22

店舗経営に向けて勉強!会計・財務やマーケティングの基礎知識をおさらい

  • # 飲食店

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  • # クリニック

店舗経営をするためには、資金管理、チーム力、集客戦略、必要な資格や届出など、さまざまなスキルを身につけていなければなりません。

「店舗経営に向けて勉強をしたいけど、何から始めれば良いのかわからない」

「もうすぐ開店するから、経営に大事なことをおさらいしたい」

そうお考えの方に向け、本記事では、店舗経営におけるノウハウや必要な知識、覚えておきたい用語について解説します。

※■POINT※

・店舗経営を始める際には、お金の流れやマーケティングについての知識が必要

・経営戦略や財務に関する知識があれば、安定的な店舗経営の実現につながる

店舗経営に向けて勉強すべき内容

店舗経営に向けて勉強すべき内容は大きく4つあります。

  • 会計と財務の知識

  • 経営戦略の知識

  • マネジメントの知識

  • 店舗経営に関わる法律

会計と財務の知識

店舗経営をするうえで求められる1つ目の知識は「経理」です。

店舗では、会計が行われるたびに金銭のやり取りが生じます。飲食店においては、現金が入り(売上)、出ていく(仕入)「現金主義」と呼ばれる仕組みが取られるケースが一般的です。経営者は、お金の流れをリアルタイムで把握する必要があります。

日々の収支管理を怠ると、「急な支出に対応できない」「資金繰りに困る」といったリスクが生じます。また、正しい記録がなければ税務リスクを避けることができず、税務申告でのトラブルにもつながります。

経営戦略の知識

2つ目の知識は「経営戦略」です。店舗経営の目的は収益の最大化であり、これを達成するためには根幹に据えるべき要素です。単に商品・サービスを売ろうとするのではなく、出店エリアやターゲット層をしっかりと策定し、それに合ったマーケティングを行うことが求められます。

たとえば地域性や競合店の動向を分析し、どの層に向けて、どのような価値を提供するかを明確にすることで、効率的な集客や売上の向上が見込めます。

また、価格設定やプロモーションの施策も、経営戦略にもとづいて柔軟に調整する必要があります。戦略的に店舗経営を行うことが、成功への鍵となります。

マネジメントの知識

3つ目の知識は「マネジメント」です。働くスタッフにとってのモチベーションを高め、チームワークを強化するなどの良好な労働環境を整備する「人材管理」や、過剰在庫や欠品を防ぎ、効率的に資源を活用することで適切な在庫を維持する「在庫管理」などの知識が必要です。

マネジメントの知識を習得すれば業務の無駄を減らし、利益を最大化できる可能性が高まります。さらに業務の流れを最適化することで、時間の無駄を減らし、スタッフの負担を軽減できます。

店舗経営に関わる法律

4つ目の知識は「法律」です。店舗経営は業種ごとに必要な許認可が異なります。自治体でも条件が異なる場合があるため、開業前に所轄窓口へ必ず確認を取りましょう。

また許認可には有効期限があるものも多く、一定期間ごとに更新申請などが必要になってきます。

例)

飲食店

飲食店営業許可、食品衛生責任者資格、防火管理者選任届、ほか

美容室

美容所開設届、医師の診断書、ほか

宿泊業

ホテル営業許可、旅館営業許可、公衆浴場許可、ほか

工務店

特定建設業許可、一般建設業許可、建設コンサルタント登録制度、ほか

不動産

宅地建物取引業免許、不動産鑑定業登録、金融商品取引業登録、ほか

運送業

一般貨物自動車運送事業許可、特定貨物自動車運送事業許可、ほか

自動車業

古物商許可、自家用自動車有償貸渡業許可、認証工場の認証、ほか

特に飲食店の場合、食品衛生法や食品リサイクル法、深夜に酒類を提供する際の風営法など、守るべき法律も多くあります。

会計と財務の基礎知識

会計と財務の基礎知識は大きく4つに分けられます。4つ目の財務三表は、さらに3つに分けられます。

  • 現金出納帳

  • 減価償却

  • 複式簿記

  • 財務三表

    貸借対照表(B/S)

    損益計算書(P/L)

    キャッシュ・フロー計算書(C/S)

現金出納帳|お金の動きを可視化する帳簿

現金出納帳(げんきん-すいとうちょう)とは、「いつ、どこで、どうやって」現金が動いたかを可視化する帳簿のことです。店舗における「家計簿」の役割があり、記載内容は日付、入出金額、差引残額などが挙げられます。

記入例)

日付

摘要

入金

出金

残額

8

1

前月繰越

40,000

40,000

3

現金仕入

2,000

38,000

4

現金売上

3,500

41,500

10

預金引出

100,000

141,500

15

従業員給与支払

73,000

68,500

減価償却|資産の分割計上

長期間に渡って使用され、年数の経過によって価値が減少する資産(厨房機器などの設備やパソコン、社用車など)に適用される考え方です。耐用年数に応じて、金額を分割しながら計上します。

計算式は定額式の場合、下のようになります。

減価償却費 = 取得価額 × 償却率

たとえば、耐用年数4年・100万円で購入した資産の償却費は下のように計算します。

減価償却費 = 1,000,000 × 0.25(耐用年数4年の場合の償却率)

以上から、1年ごとに支払う金額は25万円です。

参考:国税庁‐減価償却資産の償却率等表

複式簿記|個人事業主の義務となる帳簿づけ

帳簿には単式簿記・複式簿記がありますが、店舗経営においてはほぼ複式簿記を用います。記帳は複雑になりますが、お金の流れが明確になります。なお、帳簿付けは個人事業主の義務であり、申告漏れには税が加算されるため注意しましょう。

複式簿記は「借方」「貸方」両方の視点でお金の動きを記録します。

財務三表|財務状況の決算書

財務三表とは、決算書のなかでも特に重要な3つの書類を総称して指す言葉です。

  • 貸借対照表(B/S)

  • 損益計算書(P/L)

  • キャッシュ・フロー計算書(C/S)

貸借対照表、損益計算書については、すべての企業に作成が義務付けられています。これらの書類を作り、読めるようになることが重要です。

貸借対照表(B/S)

バランスシートとも呼ばれ、「資産・負債・純資産」の3カテゴリーからなる書類です。決算日における店舗の財務状況がわかるもので、店舗がどのような資産や負債を持ち、純資産がいくらあるかを把握できます。

記入例)

借方

貸方

資産

負債

純資産

貸借対照表では、「資産」と「負債+純資産」の金額が必ず一致します。この合計が一致しない場合は、転記ミスや仕訳に誤りがあると考えられます。

損益計算書(P/L)

「費用・収益・利益」の3カテゴリーからなる書類です。「なぜ・どれくらい」利益が出ているかがわかり、その発生要因は何なのかを把握するために作られます。

記入例)

借方

貸方

費用

収益

利益

損益計算書では、「費用+利益」と「収益」の金額が必ず一致します。この合計が一致しない場合は、転記ミスや仕訳に誤りがあると考えられます。

キャッシュ・フロー計算書(C/S)

上記の2書類と異なり、作成が義務化されているのは上場企業のみとなります。「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つからお金の流れを把握し、損益計算書だけでは見通しにくい黒字倒産リスクの分析に役立ちます。

計算書は直接法の場合、下のようになります。

記入例)

項目

金額(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

①の合計)

30

投資活動によるキャッシュ・フロー

②の合計)

-15

フリー・キャッシュ・フロー(①+②)

15

財務活動によるキャッシュ・フロー

③の合計)

-20

④キャッシュの増加・減少額(①+②+③)

-5

⑤キャッシュの期首残高

75

⑥キャッシュの期末残高(④+⑤)

70

経営戦略の基礎知識

ここでは、経営戦略に必要な基礎知識を4点紹介します。

  • 商圏分析

  • ポジショニングマップ

  • AIDMA / AISAS

  • SWOT分析

商圏分析|適切なエリアの選択

適切なエリア選びには、国勢調査や住民基本台帳などのデータを活用し、地域の人口構成や商業の特性を把握することが必要です。特に昼夜間の人口差の把握は重要で、昼間に人が多いエリアと夜間に賑わうエリアでは、営業戦略やターゲット層が異なります。

また、周辺の競合店の存在や、地域内の購買頻度を調査することも欠かせません。これらの情報をもとに、どのエリアに出店するかを決定することで、売上の最大化が見込めるだけでなく、リスクを減らし、確実な収益を狙えるようになります。

ポジショニングマップ|立ち位置の見える化

自店舗と競合店の立ち位置を視覚的に整理するための図面を「ポジショニングマップ」と呼びます。縦軸と横軸に異なる指標を設定し、それぞれに自店舗や競合店を配置することで、市場内での相対的な位置関係を把握できます。

たとえば縦軸に「価格」、横軸に「品質」を設定することで、低価格・高価格・低品質・高品質のポジションがわかるようになります。

記入例)

このようなマップを活用することで自店舗の強みやウィークポイントが明確になり、競合との差別化ポイントを把握できます。また今後のマーケティング戦略を立てる際に方向性を定める指針にもなり、より効果的な戦略の実施が期待できます。

AIDMA / AISAS|購買行動を理解する

AIDMA(アイドマ)とは、1920年代に提唱された基本的な購買行動モデルです。

  1. Attention(注目)

  2. Interest(興味)

  3. Desire(欲求)

  4. Memory(記憶)

  5. Action(行動)

「1.Attention」を認知段階、「2.Interest」「3.Desire」「4.Memory」を感情段階、「5.Action」を行動段階と区別します。

AISAS(アイサス)とは、2004年に提唱された近年の購買行動モデルです。インターネットの活用が前提となり、時代に合わせて進化した購買モデルとなります。

  1. Attention(注意)

  2. Interest(関心)

  3. Search(検索)

  4. Action(購買)

  5. Share(共有)

「1.Attention」「2.Interest」「3.Desire」を潜在層、「4.Memory」「5.Action」を顕在層と区別します。

両者を使い分けながら、顧客がどの段階にいるかをマーケティングなどで見極め、それぞれの段階に合わせたアプローチを行えば認知度や集客率は自然と増えていくでしょう。

SWOT分析|自店舗の強みを把握・活用

プラス要因

マイナス要因

内部環境

強み

弱み

外部環境

機会

脅威

上記のような、店舗にとってのプラス・マイナス2つずつの要素を洗い出し、市場の将来性や効果的なマーケティング施策を明確化する方法を「SWOT分析」と呼びます。

SWOT分析には事業の改善点を見つけやすい・新規事業の将来的リスクを見定めやすい、というメリットがあるため、うまく活用すれば効果的な商品会議を実現できるでしょう。

マネジメントの基礎知識

組織やチームが目標を達成するために「ヒト・モノ・カネ」を効率的に活用し、PDCAサイクルを回す際などに必要な知識です。

  • 在庫・仕入管理

  • 人材管理

  • 売上管理

  • レイアウト設計

これらの基礎知識を理解し、実践することで、組織やチームのパフォーマンスを向上させることができます。

在庫・仕入管理|ロス率を下げる取り組み

店舗経営において「在庫の持ちすぎ」と「品切れ」はどちらも大きな損失につながります。

ロスを防ぐには、売れ筋と不人気商品の傾向を分析し、仕入れを最適化することが重要です。具体的な施策としては、以下のような方法が挙げられます。

  • 売上データに基づいた発注量の調整

  • 消費期限や賞味期限を意識したローテーション(先入れ先出し)

  • 売れ残り商品の値下げ販売やセットメニュー化

例えばカフェでケーキが売れ残った場合、「ドリンクセットに組み込む」「夕方以降は割引販売」といった工夫でロスを最小限にできます。こうした小さな積み重ねが、最終的には利益率改善に直結します。

人材管理|育成と労働環境の整備

店舗の「顔」として働くスタッフの仕事ぶりは、顧客への印象に直結します。

重要なポイントは次の3つです。

  • 適切な採用と配置:スキルや適性を見極め、得意分野を活かす

  • 働きやすい環境づくり:長時間労働や過度な負担を避け、安心して働ける職場にする

  • 成長機会の提供:定期的な研修やフィードバックでスキルアップを支援する

例えば、接客が得意なスタッフをホール、調理が得意なスタッフをキッチンに配置するだけでも、生産性と顧客満足度は向上します。

売上管理|KPI達成に向けた運営

「売上は伸びているのに利益が残らない」という店舗も少なくありません。売上・利益率・リピート率などの数値を定期的に把握し、改善策に落とし込む必要があります。

以下のようにKPIを明確にすることで、日々の意思決定に一貫性が生まれ、売上の安定化につながります。

  • 週間・月間ごとのKPI(例:売上100万円、利益率20%、リピート率40%)を設定する

  • スタッフと共有し、全員で達成意識を持つ

  • 進捗をチェックし、未達の場合は原因分析と改善策を即時実行する

レイアウト設計|販売促進につながる店舗づくり

店舗レイアウトは「見やすさ・買いやすさ・働きやすさ」を兼ね備えることが重要です。

例えばドラッグストアでは入口に化粧品を配置し、スキンケアの流れ(導入液→化粧水→乳液)に沿った陳列を行っています。これは「自然に回遊させて購入点数を増やす」仕組みです。

飲食店であれば次のような工夫が効果的です。

  • 季節ごとの装飾やPOPを使い、旬の商品を訴求する

  • 厨房からホールまでの導線を最短化し、スタッフの作業効率を高める

  • 売りたい商品を視線の高さに配置する

レイアウトは単なるデザインではなく、売上を伸ばす戦略にもなります。

その他の押さえておくべき要素

マネジメントのノウハウはもちろん、以下の要素も押さえておくことがおすすめです。

  • 商品開発のノウハウ

  • ローカルSEOの重要性

商品開発のノウハウ

店舗経営で売上を安定させるには、常に魅力ある商品を提供し続けることが欠かせません。既存商品の改良だけでなく、顧客ニーズや市場トレンドを分析し、新しい商品を開発することが集客力につながります。

特に飲食店や小売業では「定番商品+季節限定商品」のようなバランスが有効で、リピーターを飽きさせず、新規顧客を呼び込むきっかけになります。

商品開発は以下の流れで進めるのが一般的です。

  • 顧客アンケートやSNSからニーズを把握する

  • 試作品を作り、小規模で販売して反応を確認する(テストマーケティング)

  • 結果をもとに味・品質・価格・パッケージを調整する

このプロセスを丁寧に行うことで、売れ残りや不良在庫といったリスクを減らし、安定した収益につなげられます。

ローカルSEOの重要性

新規顧客を獲得したい店舗経営者にとって、ローカルSEO(MEO対策)は必須です。Googleマップや地域検索で上位に表示されなければ、多くの来店機会を失ってしまいます。

ローカルSEOで取り組むべき基本施策には、以下があります。

  • Googleビジネスプロフィールの正確な情報登録(住所・営業時間・写真など)

  • 口コミへの丁寧な返信や評価の向上

  • 定期的な投稿機能の活用や最新情報の更新

これらを実行することで検索結果での露出が高まり、地域内での信頼度と集客力が強化されます。逆に放置すると「検索されても選ばれない店舗」になり、長期的な経営リスクにつながります。

店舗経営を効率化する「STOREPAD」

イクシアス株式会社の「STOREPAD」は、ローカルSEO(MEO)対策に役立つ機能が備わっている店舗集客支援ツールです。

主に店舗情報管理とさまざまな来店経路に向けた情報発信、そして口コミ対応機能が充実しており、口コミの良い点・悪い点の傾向をAIの視点で分析し、改善案を得られます。

各メディアへの一括投稿や情報更新、推奨ハッシュタグのワンクリック反映など、ローカルSEO対策に役立つ機能が豊富に備わっています。また、AIによる口コミ返信・要約やローカルSEO順位のデータ分析も可能です。詳しい機能や料金に関しては、こちらから資料をダウンロードしてご確認ください。

お役立ち資料

店舗ビジネスの成功を左右するのは「集客」と「顧客満足度」です。店舗事業者が押さえるべき基本的な集客手法から、ポータルサイトやホームページの活用法、Googleビジネスプロフィールの攻略ポイント、SNSマーケティングの基礎知識、さらにはUGC(ユーザー生成コンテンツ)や口コミの活用まで、実践的なノウハウをぎゅっと詰め込みました。 無料でダウンロードできますので、ぜひお店の集客やマーケティングに役立ててください。

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    監修者プロフィール

    折川 穣(Jo Orikawa)

    IXYASのCMO。ex-Google。複数のスタートアップにて営業・マーケ・CS組織を立ち上げ、SaaSのAPI連携や販売代理モデルを構築。Microsoftではパートナーと連携し、AI市場の拡大戦略を推進。MAIAの取締役COOを兼務。https://www.linkedin.com/in/jorikawa/

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