
飲食店業界では、コロナ禍以降の客足の減少や材料費・人件費の高騰など、様々な要因が売り上げを圧迫する状態が続いています。こうしたなかで、集客に力を入れたいオーナーや店舗担当者の方は多いのではないでしょうか。そこで当記事では、飲食店の集客UPに繋がるポイントを解説します。飲食店の集客における重要なポイントや注意したい点、集客のステップ、そしておすすめの集客アイデア5選を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

集客の具体的なアイデアの前に、飲食店の集客における重要な2つのポイントについて解説します。まずは集客について基本的な考え方を理解しましょう。
集客アイデアを考える前に、まずは「どのようなお店にしたいのか」というお店のコンセプトを明確にしましょう。自店のコンセプトを明確にすることで、近隣の店や競合店との差別化が図れるほか、独創性を出せるなど、集客の方向性が決めやすくなります。また、コンセプトが明確なお店の方が、ユーザーに見つけてもらいやすくなり、より幅広い集客にも繋がります。もしコンセプトを曖昧にしたまま集客を実施してしまうと、思惑と異なる客層が集まってしまう懸念もあります。例えば、隠れ家的な落ち着いた雰囲気のレストランに、学生グループが来てしまうといったことが起こる可能性もあるのです。そのような事態を防ぐためにも、どのようなお客さんに、どのようなシチュエーションで利用してほしいかなど、まずはお店のコンセプトを明確にすることが重要です。
コンセプトと同様、集客したいターゲットを明確にすることも重要です。そこでおすすめしたい方法のひとつが、ペルソナの設定です。ペルソナとはターゲットの人物像を具体的に設定することをいいます。性別や年齢層だけでなく、学歴や職歴、年収、ライフスタイル、家族構成、嗜好、価値観などあらゆる属性を設定します。より具体的なペルソナを設定することで、スタッフ全体でターゲット像を共有でき、ターゲットのニーズに合った集客施策が実施できるようになります。特に集客にあたって何から始めたらよいか迷った時には、まずターゲットのペルソナを設定し、そこから見えてきたターゲットに合ったアイデアを検討するのが効果的です。
飲食店における集客には、4つのステップがあることをご存知でしょうか。こちらの章では、飲食店の集客4ステップについて解説します。
飲食店における集客の最初のステップは「お店を認知してもらう」ことです。内装に工夫を凝らしたりメニューにこだわったりしても、お店の存在を認知してもらえない限り集客には繋がりません。従来は広告や看板、チラシなどを通じた認知が一般的でしたが、近年ではSNSを通じた認知拡大の効果が高まっています。店名や場所、営業時間、メニューなどお店の概要がすぐに分かるように、HPやSNSなどといったオンライン上の各チャネルから情報発信をして認知を広げましょう。
飲食店における集客の2つ目のステップは「興味を持ってもらう」ことです。お店の存在を認知してもらえたら、次はお店のコンセプトなどに興味をもってもらえる工夫をしましょう。これについてもHPやSNSなどの各チャネルを活用して、こだわりのメニューや店内の雰囲気など、自店ならではの魅力を発信すると効果的です。その際に、前章でお伝えしたポイント「お店のコンセプトを明確にする」という行程で設定したコンセプトを意識して、「自店ならでは」のポイントをアピールすることが重要です。
飲食店における集客3つ目のステップは「来店に繋げる」ことです。前述の通り、HPやSNSなどで認知を広げ、お店に興味を持ってもらう発信をするとともに、次のステップとして来店に繋げる投稿も積極的に行いましょう。来店に繋げる投稿とは、期間限定メニューの紹介や割引のお知らせなどといった、ターゲットが「早く行きたい」と思うような情報の発信です。そのタイミングで来店するメリットを提示することで、お店に興味を持ったターゲットが足を運んでくれることが期待できます。
飲食店における集客ステップの最後は「常連客化を促す」ことです。一度来店してくれたお客さんが再び来店したくなるような工夫をしてみましょう。代表的な方法としては、再来店クーポンやポイントカードの発行などがあります。特にLINE公式アカウントを活用すると、ポイントカード機能やセグメントごとのメッセージ配信機能があり、お客さんとの継続的なコミュニケーションをとることができます。HPでの情報発信やSNSへの投稿に加えて、LINE公式アカウントの活用も検討してみると良いでしょう。
ここまで、飲食店の集客におけるポイントやステップについて解説してきました。一方で、集客にあたっては知っておきたい注意点もあります。こちらの章では、飲食店の集客で注意したい点について解説します。
まず、飲食店の集客においては、こまめに情報発信をすることが重要です。HPやSNS、ブログなどで発信した情報に更新がなかったり、更新されてもマンネリ化した内容だったりすると、お客さんの関心が離れてしまう原因になります。働くスタッフの紹介やお店の近くにあるスポットの紹介などといった「親近感が湧くトピック」を投稿したり、「時事トピック」として期間限定メニューの紹介や期間限定キャンペーンの告知を投稿するのも方法の一つです。常にお店への興味を保てるような新しい内容の発信を心がけましょう。
飲食店の集客で結果を出すために必要不可欠なことは、分析です。集客のための施策は実施して満足するのではなく、打ち出した施策が目的に合っていたか、想定した成果を出せているかなどを評価・検証することが重要です。分析の手順は次のとおりです。
①目標達成の確認 ②投資対効果の測定 ③改善点と次回施策のあらいだし
取り組んだ施策について日々の分析をすることが、より効果的な飲食店の集客を成功させるためのポイントです。定期的に分析と検証を行って、施策の微調整や必要であれば大幅な方向転換を行い、常に最大の効果が出せるようにしましょう。
クーポンを使ったお得な体験は、新規もリピーターも集客しやすくなります。しかし、クーポン発行時だけに来店するユーザーも多くいます。常連客化を図るためには、一時的な集客で終わらせないことが重要です。やみくもにクーポンを発行するのではなく、SNSのフォローをクーポン条件にするなど、中長期的な視野を持った施策になるよう工夫しましょう。またクーポンによる集客に頼らず、メニューや接客を通して「また来たい」と思ってもらえるサービスを追求することも、忘れずに行いましょう。

それでは最後に、飲食店におけるおすすめの集客アイデア5選を解説します。中には途中から課金することでさらなる集客サービスが利用できるツールもありますが、いずれもまずは無料で始められるツールですので、ぜひ導入を検討してみてください。
Googleビジネスプロフィールとは、GoogleやGoogleマップで検索をした時に表示される、各店舗の情報のことです。最近はこのGoogleビジネスプロフィールを使って飲食店を探す人が増えています。それを受けて、MEO(Map Engine Optimization:マップ検索エンジン最適化)という、主にGoogleマップ向けの検索エンジンの検索結果で上位に表示されるための施策に力を入れている店舗も増えています。Googleに正しい店名や場所、営業時間、メニュー情報を投稿することで、お店を探しているユーザーに見つけてもらうことができます。また、Googleビジネスプロフィールには口コミを投稿できる機能もあり、ポジティブな口コミが増えると新規のお客さん獲得にも繋げられるというメリットもあります。
SNSとは、インスタグラムやFacebook、X(旧Twitter)などを指します。SNSでは、店舗からの投稿だけでなく、実際にお店を利用したユーザー個人が情報を発信する場合も多く、そうした情報を参考にしている人も増えています。そのため、SNSは集客ツールとしても確立されてきており、実際にSNSの運用で集客に成功している飲食店も少なくありません。SNSを運用する際のポイントは、ターゲット層によって使うSNSを使い分けることです。以下に例を挙げます。
インスタグラム:写真や動画などのビジュアルコンテンツが中心。10~30代の女性を中心に「#(ハッシュタグ)」を利用して飲食店を検索するユーザーが多い。
Facebook:実名での登録が基本のため信頼できるデータが得られる。30代以降のビジネスパーソンの利用者が多い。
X(旧Twitter):リツイート機能があることから拡散力が高いのが特徴。キャンペーン情報やお得な情報を広めたい場合におすすめ。
各SNSの特徴を理解して、自店のターゲットに合ったSNSを上手に活用しましょう。
LINE公式アカウントの特徴は、他のSNSよりも限られたユーザーにダイレクトに発信ができることです。メニューやクーポンなどの情報発信以外にも、ポイントカード機能や予約受付機能があり、より一人一人にフォーカスした集客施策が実施できるため、リピート率の向上が期待できます。さらにLINEは国民の70%以上が利用しているアプリです。ユーザーにとって公式アカウントをお友達登録するハードルが低いのも、LINE公式アカウントを活用するメリットの一つです。そのためLINE公式アカウントを導入している飲食店や企業は37万を超えています。フリープランなら初期費用無料で開始できるため、「試しに使ってみる」ことも可能です。
動画は店内や商品をよりリアルに伝えられる強みがあります。例えば文章や写真でもお店の様子を伝えることはできますが、部分的な情報しか発信できません。一方動画を使って紹介することで、外観や入口、座席やカウンターの様子など、店内全体を紹介することができます。また料理を紹介するツールとしても、動画は視覚と聴覚の両方からアピールできるのが魅力です。料理から湯気があがる様子や肉をフライパンで焼く「ジューッ」という音、チーズがとろっとと伸びる様子など、食欲をそそるような映像を発信することで、見た人がよりイメージを膨らませやすくなります。ただ動画作成には時間と労力、スキルが求められます。外注することも視野に入れながら、金銭的・実務的負担における費用対効果を考慮して実施しましょう。
ポータルサイトに登録して店舗情報を掲載するという方法もあります。一部のポータルサイトでは以前よりも集客力が落ちているとの指摘もありますが、まだまだ多くのユーザーが利用していて、十分効果が見込める集客方法です。ポータルサイトでは「○○駅 居酒屋」といったキーワード検索や口コミ機能が充実していることから、お店を探している幅広いユーザーにアプローチできるというメリットがあります。一方で掲載料がかかってしまうというデメリットもあります。掲載料は成果報酬型と月額課金型があります。月額課金型の相場は月額数万円程度です。中には初期費用がかかる場合もあるので、料金制度を良く調べ、自店の規模やターゲットに合ったプランで登録するようにしましょう。
今回は飲食店の集客に効果的なアイデアをいくつか解説しました。重要なポイントや注意点をおさえながらインターネットやSNSを上手く活用することが、集客に繋げるポイントです。今回ご紹介したアイデアはどれもユーザーにとって身近なものであり、導入してみる価値があるでしょう。
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監修者プロフィール
折川 穣(Jo Orikawa)
IXYASのCMO。ex-Google。複数のスタートアップにて営業・マーケ・CS組織を立ち上げ、SaaSのAPI連携や販売代理モデルを構築。Microsoftではパートナーと連携し、AI市場の拡大戦略を推進。MAIAの取締役COOを兼務。https://www.linkedin.com/in/jorikawa/
