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サロンの利益率を上げる5つのコツ|業種別...

店舗運営

2026.03.27

サロンの利益率を上げる5つのコツ|業種別平均や利益率が低くなる原因を解説 

  • # リラクゼーション

  • # 美容室

サロン経営では、売上だけを見ていると実際の経営状況を正しく判断できません。材料費や家賃、人件費などを差し引いたうえで、どれだけ利益が残るのかを把握することが重要です。利益率を理解しておくと、負担になっている費用や改善すべき点が明確になります。

本記事では、利益の種類や計算方法、経費の考え方、業種別の平均利益率まで、経営に必要な基礎知識を解説します。

※POINT※

  • サロンの利益率は最重要指標の一つ。業種別の平均値がある

  • 利益率が低くなってしまう原因を把握し、利益率を上げる工夫をしよう

利益率とは?サロン経営で知っておくべき基礎知識

サロン経営を長く続けるためには、売上だけでなく利益構造の把握が不可欠です。多くのオーナーは、日々の売上目標を追いがちですが、経費や原価を差し引いた最終的な利益率を把握していなければ、経営状態は見えてきません。ここでは、利益の種類や計算式、経費の考え方を整理します。

サロン経営における利益の種類と計算式

サロン経営で主に意識すべき利益は、売上総利益(粗利益)と営業利益です。

  • 売上総利益(粗利益)
    売上高から材料費などの原価を差し引いた利益で、施術が生み出した付加価値を示す指標です。

  • 営業利益

    粗利益から家賃・光熱費・人件費・広告費などの販売管理費を差し引いた利益で、本業でどれだけ利益が出ているかを示します。

一般的に「利益率」は営業利益率を指すことが多く、計算式は次のとおりです。

利益率(%)= 利益 ÷ 売上高 × 100

例えば、月間売上が100万円で、諸経費を引いた利益が10万円だと、利益率は10%になります。粗利益が高いにも関わらず、利益率が極端に低い場合、家賃や広告費などの固定費・販売費が経営を圧迫しているサインです。

サロン経営にかかる経費と原価率

利益率を算出するには、まず「何にいくら使っているか」という経費の分類が必要です。

■主な経費の項目

  • 原価(変動費):カラー剤、パーマ液、シャンプー、ネイルジェル、店販商品、キャッシュレス決済手数料

  • 販売管理費(固定費):家賃、人件費(基本給)、福利厚生費、水道光熱費、広告宣伝費、通信費、リース代

原価率の考え方売上高に対して、施術に必要な材料費が占める割合を指します。

計算式は「材料費÷売上高×100」です。

サロン業界では、広告費や人件費を原価に含めて計算する手法もあります。しかし経営判断においては、材料費を原価として切り分け、人件費や広告費は運営コストとして管理する方が改善点を特定しやすくなります。

なぜ売上よりも利益率が重要なのか

売上の増加が、必ずしも経営の安定を意味しないためです。売上を追うあまり広告費を使いすぎたり、安売りをしたりすると、利益率が低下し、経営リスクが高まります。利益率を意識する最大のメリットは、損益分岐点をコントロールできる点にあります。

  • 損益分岐点:利益がプラスマイナスゼロになる売上ライン

  • 利益率が高い状態:損益分岐点が低いため、少ない客数でも赤字になりにくい

  • 利益率が低い状態:損益分岐点が高いため、常に大量の集客を続けなければ赤字に転落する

利益率を高めることは、外部環境の変化(客足の減少や増税、材料費高騰)に耐えられる体制を強化することにつながります。

「粗利率」と「営業利益率」は別物

この2つを混同すると、経営改善の方向性を誤ります。役割の違いは、以下のとおりです。

■粗利率(売上総利益率)で判断すること

  • メニューの価格設定は適正か

  • 薬剤の使いすぎ(ロス)はないか

  • 仕入れ値が高すぎないか

■営業利益率で判断すること

  • 家賃が売上規模に見合っているか

  • 人件費(スタッフ数)が過剰ではないか

  • 広告宣伝費が利益を圧迫していないか

サロンの利益率は?業種別の平均値

利益率が高いほど、多くの利益を生み出していることになります。ここでは美容室・エステサロン・脱毛サロン・ネイルサロン・自宅サロンの5つの代表的なサロンの平均利益率を紹介します。

美容室の平均利益率

美容室の平均利益率はおよそ10〜15%といわれています。

カラー剤・パーマ液・シャンプーなど、施術に欠かせない材料費が必ず発生するため、どうしても原価が高くなりがちです。また、美容師は国家資格が必要な職種のため、人件費も比較的高くなる傾向があります。

エステサロンの平均利益率

エステサロンの平均利益率は、目安として15%前後です。

ハンド中心の施術か、機器中心の施術かによってコスト構造が大きく変わり、利益率にも差が出ます。高単価のコース契約が取れれば売上は伸びますが、その分広告費がかさみやすい点が特徴です。また、痩身機器や美容機器などを導入すると、リース代やローン返済が固定費として重くのしかかります。

脱毛サロンの平均利益率

脱毛サロンの平均利益率はおよそ15%前後です。

業務用脱毛器による施術が中心のため、技術習得にかかる教育コストや人件費は比較的抑えられます。一方で競合が多く、価格競争に巻き込まれやすい業種でもあります。立地や導入機器、スタッフ数、サービス内容によってランニングコストが大きく変わる点も特徴です。

ネイルサロンの平均利益率

ネイルサロンの平均利益率は20〜30%と、サロン業界のなかでは高めです。

理由は、ジェルやパーツなどの材料費が比較的安く、施術単価に対して原価が5〜10%ほどで済むケースが多いためです。さらに、大型機器が不要で小さなスペースでも開業できるため、家賃や光熱費といった固定費も抑えやすい傾向があります。

自宅サロンの平均利益率

自宅サロンの平均利益率は15〜30%程度です。

家賃といった大きな固定費がかからないため、店舗型より利益が残りやすいのが特徴です。通勤費や人件費が抑えられる点も、損益分岐点を下げる要因になります。ただし、立地が弱い場合は集客が難しく、広告費が増えたり稼働率が下がったりすることで、利益率が落ちる可能性もあります。

利益率が低くなってしまう主な原因

利益率が低いサロンの多くは、コストの構造や日々の運営判断を、数字として掴めていないことが原因になりがちです。ここでは、利益を圧迫しやすい代表的なポイントと、オーナーがまず確認しておきたい判断基準を整理します。

固定費が高すぎる

利益率を下げる要因として、最初に確認すべきなのが固定費です。固定費は売上の増減に関係なく毎月発生するため、構成比が高いほど利益が残りにくくなります。

確認すべきポイントは以下のとおりです。

  • 現在の売上規模に対して、家賃が過剰になっていないか

  • 設備投資の回収見込みを事前に検討できているか

  • スタッフ数とシフトが来店数に対して過剰ではないか

固定費が重い状態では、売上が少し落ちただけで赤字に転落します。売上が安定していても利益が残らない場合は固定費を優先的に見直す必要があります。

どんぶり勘定による隠れコストの放置

売上は立っているのに資金が残らない場合、収支を構造的に把握できていない可能性があります。

最低限、以下の項目は分けて把握しましょう。

  • 月ごとの売上と経費

  • 固定費と変動費の内訳

  • 施術別の売上と材料費

  • 物販売上と在庫の増減

まずは現状を正確に把握することが、改善の前提条件です。

稼働率を無視したスタッフ採用

スタッフを増やしても、必ずしも利益が増えるとは限りません。問題になるのは、稼働率を考慮せずに人件費だけが増えているケースです。稼働率は、以下のように考えます。

  • シフトに入っている時間のうち、実際に施術や接客をしている時間の割合

稼働率が低いまま採用を進めると、売上が増えず利益率だけが下がります。採用前に、既存スタッフの稼働を最大化できているかを確認しましょう。

値下げ・クーポン依存で単価が崩れている

値下げやクーポンは、新規来店のきっかけとして一定の効果があります。一方で、常態化すると1回あたりの利益が下がり、利益率の改善を難しくします。

判断のポイントは以下です。

  • クーポン利用客が、定価でも継続して来店しているか

  • 値引き後でも利益が残る構造になっているか

値下げを前提に集客を続けると、価格以外の理由で選ばれにくくなります。値引き施策を行う場合は、再来店や通常価格への移行まで含めて設計されているかを確認しましょう。

広告費の出しすぎ(CPAとLTVが釣り合っていない)

広告費が利益を圧迫している場合、新規顧客の獲得コストと、その顧客がもたらす収益の関係を確認する必要があります。

  • CPA:1人の顧客を獲得するためにかかった広告費

  • LTV:1人の顧客が継続利用を通じてもたらす売上の合計

広告費が問題になるのは、CPAがLTVに対して過剰になっている場合です。

具体的な適正比率はサロンの業態やリピート率によって異なるため、一律の数値で判断することはできません。自店の平均来店回数や客単価をもとに、広告費が回収可能かを検討する必要があります。

物販・店販の設計不足(置いているだけで売れない)

物販や店販は、在庫を持つ時点でコストが発生します。販売設計がないまま商品を置くと、売上につながらず、資金を滞留させる要因になります。

見直すべき点は以下です。

  • どの商品を、どの施術と組み合わせて提案するのか

  • 顧客が使用感を確認できる機会があるか

  • 仕入れ数量が販売ペースに見合っているか

施術中に実際に使用し、その場で説明するなど、購入までの流れが設計されていなければ、安定した売上にはつながりません。

時間がボトルネック:施術時間と回転率が収益を止めている

1回の施術時間が長いほど、1日に対応できる顧客数は限られます。この状態では客数を増やさない限り、売上や利益率の改善は難しくなります。

確認すべき点は以下です。

  • 施術ごとの所要時間と売上を把握しているか

  • 時間あたりの収益が極端に低いメニューがないか

回転率を上げる方法として、短時間で提供できるメニューを追加する選択肢もあります。ただし、導入の可否は顧客満足度や既存メニューとのバランスを踏まえて判断する必要があります。

単に施術時間を削るのではなく、時間と収益の関係を整理したうえで検討しましょう。

サロンの利益率を上げる10のコツ

サロンの利益率を上げるには、コスト最適化と売上構造の改善を両輪で進める必要があります。日々の運営の中で取り入れやすい、仕組みづくりの視点で10のポイントをまとめました。

1.経費を「固定費→変動費」の順に見直す

最初に取り組みやすいのが、「出ていくお金」の整理です。

  • 変動費の見直し
    材料の仕入れ先を変えたり、まとめて発注して条件を交渉したりするだけでも差が出ます。

  • 固定費の見直し
    家賃の再交渉や、ほとんど使っていないサブスクの解約など、定期的なチェックがおすすめです。

  • 稼働率の改善
    施術時間を少し調整する(例:60分→50分)ことで、1日の予約枠を増やせるケースもあります。

2.顧客満足度を向上させてリピート率を上げる

新規集客には、リピート対策の数倍のコストがかかるといわれています。広告費を抑えながら売上を作るなら、リピート率の改善は避けて通れません。ポイントは以下のとおりです。

  • 次回予約の提案
    会計時に「次はいつ頃が良さそうですか?」と声をかけ、その場で予約を取る。

  • サンキューメッセージ
    来店翌日に一言お礼を送るだけでも、印象に残りやすくなります。

3.価格の見直しとスタッフ教育

材料費や光熱費が上がっている昨今、価格の見直しが必要になる場面も増えています。

  • 価格改定
    原価率を一度整理し、無理のない利益が出る価格に調整します。

  • 技術単価の向上
    指名料をいただけるレベルまでスタッフを育てることで、客単価の底上げにつながります。

4.SNSによる広告費ゼロ集客を実現する

有料媒体だけに依存せず、自社の発信力を育てていきます。

  • Instagram
    施術事例をまとめておくことで、「この人にお願いしたい」という指名につながりやすくなります。

  • Google Maps
    地域検索での露出を増やすことで、広告費をかけずに新規来店が見込めます。

5.利益率を最大化するためにITツールを活用する

予約管理のツールや口コミ対応への工数を減らすと、業務の効率化がはかれます。業務が効率的に行えるとスタッフは施術に集中できるようになり、サービスの質が向上し、顧客のリピート率も上がります。

6.優先順位でやる:稼働率→単価→固定費→変動費

あれもこれも同時にやろうとせず、優先順位を決めます。

  1. 稼働率:まずは空き枠を減らす

  2. 単価:予約が埋まってから単価アップを検討

  3. 固定費:家賃やシステム費用を見直す

  4. 変動費:最後に材料費など細かい部分を調整

7.客単価の上げ方(バンドル化/回数券)

単純な値上げが難しい場合は、以下のようにメニューの組み方を変えます。

  • バンドル化
    「カット+カラー+トリートメント」など、悩み解決型のセットを松竹梅で用意する。

  • 回数券
    先払いでキャッシュフローを安定させつつ、来店を習慣化できます。

8.リピート設計の型(次回予約・来店周期・失客防止)

リピートをお客様任せにせず、以下のように自然に戻ってきてもらう流れを作りましょう。

  • 次回予約:来店中に次の約束を決める

  • 来店周期の管理:来店目安日に合わせて案内を送る

  • 失客防止:しばらく来店のない方へ、さりげなく声かけをする

9.SNSは“ゼロ集客”ではなく投資対効果で管理(工数もコスト)

SNSは媒体費こそかかりませんが、投稿を作る時間はコストになります。毎日何時間もかけるより、予約システムと連携して効率よく運用する方が、結果的に利益につながります。

10.ITツールは「予約」「顧客管理」「会計」で分けて考える

すべてを人手でやろうとせず、ツールに任せる部分を整理しましょう。以下は一例です。

  • 予約:24時間受付で取りこぼしを防ぐ

  • 顧客管理:紙カルテをやめて、探す時間を減らす

  • 会計:レジ締めを短縮し、残業を減らす

バラバラに導入すると管理が大変になるため、オールインワン型を選ぶと楽になります。

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  • 現場の負担を軽減
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    監修者プロフィール

    遠藤 啓成(Endo Hiromasa)

    イクシアス株式会社 マーケティング・セールス室 室長。USENにてPOSレジをはじめとするDXサービス全般のマーケティングや事業企画、店舗事業推進部企画課課長として飲食店やホテルの運営にも従事。複雑化する店舗のWEB集客課題を解決したいという強い思いからイクシアスに参画。フリーランスの美容師としても活動中。管理美容師、化粧品検定1級、食品衛生管理責任者、防火防災管理者、ITパスポートを保有。USEN時代には、優れた業績を評価されGOODJOB賞を受賞。

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