
歯科医院の集患では、公式サイトやSNS、Web広告だけでなく、Google検索やGoogleマップで見つけてもらうための対策も欠かせません。Googleマップなどのローカル検索結果で自院を見つけてもらいやすくする取り組みは、一般に「MEO(Map Engine Optimization)」と呼ばれます。
STOREPADが歯科医院の院長・経営層100名を対象に実施した調査では、集患・情報発信で最も利用している媒体として「Googleマップ」が57%で最多となりました。
ただし、MEOはGoogleマップで上位表示することだけが目的ではありません。「地域名+歯医者」「駅名+矯正歯科」などで検索する、まだ自院を知らない患者の比較候補に入り、診療内容や口コミ、写真などを見たうえで選んでもらえる状態をつくることが目的です。
本記事では、Googleビジネスプロフィールで整えるべきポイントを5つのステップで解説します。あわせて、費用の考え方や、口コミ・医療広告で注意すべき点も紹介します。
歯科医院とMEOの相性がよい理由を、患者の検索行動とGoogleの仕組みから整理します。
厚生労働省の「医療施設動態調査」によると、2026年6月末時点で全国の歯科診療所は65,035施設あります。地域によって差はあるものの、競合の多いエリアでは、まず患者の比較候補に入ることが集患の起点になります。
Googleは、ローカル検索結果を決める主な要素として「関連性」「距離」「知名度」を挙げています。このうち「距離」は医院側では変えにくい一方、「関連性」はプロフィール情報の充実、「知名度」は口コミやWeb上の情報の蓄積などによって改善の余地があります。
そのため、診療内容や写真、予約方法など、患者が医院を選ぶための情報をGoogleビジネスプロフィール上でも整えておくことがMEOの基本になります。
地域名や診療内容をもとに歯科医院を探す患者に、Googleマップ上で自院を比較候補として見つけてもらえます。
Googleビジネスプロフィールでは、医院の基本情報だけでなく、写真や口コミ、Webサイトへのリンクなどをまとめて確認できます。予約ページへのリンクを設定できる場合は、Googleビジネスプロフィールから予約ページへ直接案内できます。
MEO対策の費用は、Googleビジネスプロフィールの利用料ではなく、運用にかかる人手と外部サービスの利用範囲で決まります。
Googleビジネスプロフィールの登録・管理に利用料金はかかりません。自院で対応する場合、外注費をかけずにMEO対策を始められます。
一方で、診療時間の変更、写真や投稿の更新、口コミへの返信、効果測定にはスタッフの作業時間がかかります。この時間も運用コストの一部です。
複数医院を運営している場合は、拠点ごとに情報更新や口コミ対応が発生するため、医院数が増えるほど管理負荷も大きくなります。
MEOツールや運用代行サービスは、提供範囲によって料金が異なります。
たとえば、検索順位の計測に特化したサービスもあれば、店舗情報の更新、投稿、口コミ管理、分析、改善提案までまとめて対応するサービスもあります。
比較するときは月額料金だけでなく、自院に残る作業とスタッフの工数まで含めて確認します。
MEO対策は、Googleビジネスプロフィールの基本情報を整えたうえで、患者が比較・検討しやすい情報を追加し、口コミ対応や効果測定まで運用を広げていきます。
まず、自院のGoogleビジネスプロフィールが登録されているか確認します。未登録なら作成し、すでに登録されている場合はオーナー確認を行います。
医院名、所在地、電話番号、診療時間、休診日、Webサイトなどは、実際の情報と一致させます。特に診療時間や臨時休診は来院に直結するため、変更があれば速やかに更新します。
「〇〇歯科医院」のように医院名で検索する人は、すでに自院を知っています。一方、「新宿 歯医者」「渋谷 矯正歯科」のように検索する人は、まだ通う医院を決めていない可能性があります。
MEOでは、こうした非指名検索で比較候補に入れるよう、患者が探している情報をプロフィール上に整えます。
たとえば、「地域名+矯正歯科」「地域名+ホワイトニング」などの検索を想定するなら、実際に提供している診療内容をサービス情報や説明、Webサイトでわかりやすく示します。
Googleビジネスプロフィールに上位表示させたいキーワードを登録する機能はありません。キーワードを詰め込むのではなく、自院の診療内容や特徴を正確に伝えることが基本です。
Googleビジネスプロフィールだけでは伝えきれない情報は、公式サイトで補います。
治療方針、費用、医師・スタッフ、設備、詳しい診療内容などを確認できるページへつなぎ、予約ページがある場合はプロフィールからアクセスできるよう設定します。
口コミは、医院を比較する患者の判断材料になるだけでなく、Googleが示すローカル検索の「知名度」に関わる要素の一つです。
ただし、口コミの集め方にはルールがあります。Googleでは、投稿の対価として割引や金品を提供したり、否定的な内容を書かないよう働きかけたり、高評価が期待できる患者だけに依頼したりすることを禁止しています。
また、Googleのポリシーに加えて、医療広告規制にも注意が必要です。 治療内容や効果について肯定的な体験談を書いてもらうよう依頼する行為には制約があります。詳しくは後述の「歯科医院のMEO対策で注意したい医療広告のルール」で解説します。
口コミへの返信では、患者を特定できる情報や具体的な治療内容を書き込まないなど、プライバシーにも配慮します。
Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスでは、検索に使われた語句、プロフィール閲覧数、ルート検索、通話ボタン、Webサイトへのクリックなどを確認できます。
見るべきなのは順位だけではありません。たとえば、プロフィール閲覧数が増えているのにWebサイトへのクリックや電話が伸びていない場合は、診療内容や写真、予約方法など、比較検討に必要な情報が不足していないかを確認します。
特定の診療内容に関する検索が増えていれば、そのテーマの情報を補強します。口コミで同じ指摘が続く場合は、返信だけで終わらせず、院内の対応改善にもつなげます。
「どの検索で見つかったか」と「見つけたあとにどの行動につながったか」をセットで見ると、MEOを集患施策として評価しやすくなります。
GoogleビジネスプロフィールやWebサイトで情報を発信する際は、Googleのポリシーだけでなく医療広告のルールも確認します。患者の受診を促すWeb上の情報も、内容によって医療広告規制の対象になります。
医療広告では、虚偽広告のほか、他の医療機関より著しく優れていると見せる比較優良広告や、事実を不当に誇張する広告が規制されています。
厚生労働省のQ&Aでは、「最先端の医療」「最適の医療」は誇大広告、「最良の医療」「最上の医療」は比較優良広告にあたり、広告できない例として示されています。
Googleビジネスプロフィールの説明や投稿でも、「地域No.1」「絶対に安全」「必ず治る」など、実際以上に優れている、または効果が保証されていると受け取られかねない表現は避けます。
医療広告規制では、患者が自発的に投稿した口コミと、医療機関が依頼した体験談を分けて考える必要があります。
一方、厚生労働省のQ&Aでは、医療機関が患者や家族に肯定的な治療体験談の投稿を依頼した場合、有償・無償を問わず誘引性が生じるとされています。そのため、治療内容や効果について好意的な感想を書いてもらうよう依頼することは避けます。
Googleの口コミポリシーに違反しない依頼であっても、医療広告のルールでは別の判断が必要になる点に注意してください。
治療前後の写真、いわゆるビフォーアフターも、見せ方によっては患者に治療効果を誤認させるおそれがあります。
自由診療などについてWebサイトに掲載する場合は、治療内容や費用、主なリスク・副作用など、広告可能事項の限定解除に必要な情報も確認します。
ビフォーアフターを掲載する際は、写真だけで判断せず、厚生労働省の医療広告ガイドラインや事例解説書に示された要件と照らし合わせてください。
医院数が増えると、Googleビジネスプロフィールの情報更新や口コミ対応も拠点ごとに発生します。各院で個別に管理していると、診療時間や写真の更新漏れ、口コミ返信のばらつきも起こりやすくなります。
そのため、「誰が情報を更新するか」「誰が口コミへ返信するか」「本部がどこまで確認するか」をあらかじめ決めておくと運用しやすくなります。
複数拠点の情報や口コミをまとめて管理できるツールを使えば、拠点ごとに管理画面を切り替える手間を減らし、本部でも各院の対応状況を把握しやすくなります。
STOREPADの歯科医院100名調査では、Googleビジネスプロフィールに「投稿していない/わからない」と回答した割合が56%、マーケティング関連業務にかける時間が「月1時間未満」という回答が49%でした。
診療や医院運営と並行して、情報更新や口コミ対応、効果測定まで続けるには手間がかかります。
STOREPADでは、複数店舗の情報更新や投稿、口コミの一元管理、AIによる口コミ分析・返信文の生成、MEO順位計測、競合順位分析などをまとめて管理できます。具体的な機能や運用方法は、STOREPADのサービス資料で確認できます。
店舗ビジネスの成功を左右するのは「集客」と「顧客満足度」です。店舗事業者が押さえるべき基本的な集客手法から、ポータルサイトやホームページの活用法、Googleビジネスプロフィールの攻略ポイント、SNSマーケティングの基礎知識、さらにはUGC(ユーザー生成コンテンツ)や口コミの活用まで、実践的なノウハウをぎゅっと詰め込みました。 無料でダウンロードできますので、ぜひお店の集客やマーケティングに役立ててください。

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監修者プロフィール
遠藤 啓成(Endo Hiromasa)
イクシアス株式会社 マーケティング・セールス室 室長。USENにてPOSレジをはじめとするDXサービス全般のマーケティングや事業企画、店舗事業推進部企画課課長として飲食店やホテルの運営にも従事。複雑化する店舗のWEB集客課題を解決したいという強い思いからイクシアスに参画。フリーランスの美容師としても活動中。管理美容師、化粧品検定1級、食品衛生管理責任者、防火防災管理者、ITパスポートを保有。USEN時代には、優れた業績を評価されGOODJOB賞を受賞。
