
昨今、インバウンド需要はさまざまな業界で収益の柱になっています。これからの企業・店舗運営には、インバウンド需要を見据えた戦略が必要です。今回は、インバウンド需要を取り込む秘訣について徹底解説します。課題を示しながら対処法も併せて紹介するので、ぜひご一読ください。
※■POINT※
・インバウンド需要の取り込みには、ホームページやSNSなどを多言語対応することが必要
・インバウンド対策にSNSを活用するなら、ツールの導入も選択肢

インバウンド需要とは、訪日外国人の日本国内における商品・サービスへの需要です。コロナ禍からの回復と円安、海外における日本文化への注目が重なったことにより、訪日外国人が増え、インバウンド需要も増加傾向にあります。
はじめに、インバウンド需要が注目される理由について見ていきましょう。
観光庁によるインバウンド消費動向調査によると、2025年1〜3月期の訪日外国人旅行消費額は2兆2,720億円でした。2024年1〜3月期と比べても、28.4%増加しています。
また、費目別にデータを見ると、宿泊費・買物代が約3割、飲食費が約2割となっています。インバウンド消費においては宿泊と買い物、飲食に対し積極的な消費が行われていることがわかります*。
*観光庁「インバウンド消費動向調査」
買い物代の内訳としては、菓子類やその他食料品・飲料・たばこの購入率が高く、次いで衣類や化粧品・衣料品などです。購入先としてはコンビニエンスストアや空港の免税店、百貨店・デパートなどが選ばれています。
データから読み取れるように、インバウンド市場は日本を支える規模の市場の1つであり、さらに成長傾向にあるといえるでしょう。
「モノ消費」とは、お土産品やブランド品など、目に見える物理的な商品そのものに価値を見出して購入する消費活動です。2014~2015年頃には「爆買い」という言葉も流行したとおり、中国からの訪日外国人がさまざまな日本製品を購入して、日本の小売業界に好影響を与えました。
一方「コト消費」とは、商品やサービスを通して得られる「体験」に価値を見出す消費活動です。単に商品を購入するのではなく、日本の文化などを深く体験したいといった目的に基づいています。
「コト消費」の需要が高まっている背景には、リピーターの増加があります。「コト消費」は、すでに「モノ消費」を楽しんだ訪日外国人に多くみられる傾向だといわれています。「コト消費」は地域に根差した文化に触れるため、地域経済に直接的に影響するものが少なくありません。
1.国内市場の縮小リスクをヘッジ
少子高齢化で国内の購買層は年々目減りしています。生産年齢人口は中長期的に減少トレンドにあり、家計消費の伸びも鈍化傾向です。
→ 訪日客向け売上を組み込むことで、“人口減” に左右されない収益ポートフォリオを構築できます。
2.高単価セグメントで粗利を押し上げる
2024 年の訪日外国人 1 人当たり旅行支出は 22.7 万円(前年比 +6.8 %) と過去最高を更新。弱い円と物価差を背景に、宿泊・買物・飲食で国内客よりも高い単価を期待できます。
3.地方・郊外への波及で新規需要を創出
主要都市を既訪のリピーターほど「日本の地方文化体験」へ関心を示し、地方観光地の訪問意向率は 90 % 超という調査結果も。
→ 地域資源を活かした“コト消費”を設計すれば、都心依存から脱却しながら地域経済を活性化できます。
4. サービス品質向上と競争優位の確立
多言語対応、キャッシュレス決済、施設バリアフリー化といったインバウンド投資は、そのまま国内顧客の利便性も底上げします。結果として口コミ評価が向上し、Google 検索や OTA での 順位・CVR の両立が可能です。

ここからは、インバウンド需要を取り込むときのポイントを紹介します。
ターゲットのニーズ調査
ホームページの多言語対応
SNSの活用
Googleビジネスプロフィールの活用
訪日外国人目線での訴求
セグメントは国籍×年齢×旅行目的 で細分化(例:20 代・韓国・ショッピング中心、40 代・米国・文化体験中心)。
定性+定量の二段構え
定量:インバウンド消費動向データ(費目別支出、地域別滞在日数など)
定性:Instagram ハッシュタグ分析/Google 口コミのテキストマイニング/自社アンケート
ツール例:Looker Studio+GA4 で OTA 予約・POS データを統合 → “国籍別平均客単価” ダッシュボードを即時可視化。
必須 4 言語:英・繁体字・簡体字・韓。次点でタイ・ベトナム。
単なる翻訳ではなく ローカライズ:ベジ・ハラール・グルテンフリー表記や通貨・度量衡の変換まで対応。
実装ヒント:
CMS なら hreflang+自動切替スクリプトで SEO を担保
決済は UnionPay/Alipay/WeChat Pay/Visa タッチ決済対応で離脱防止
2024年の観光庁による調査では、旅行前に役立った情報源としてSNSが最も多く挙げられています*。実際の旅行風景など、ガイドブックにはない内容を調べるために利用されています。
*観光庁「訪日外国人の消費動向」
訪日外国人が利用するSNSとしては、以下が挙げられます。各プラットフォームの特性を理解し、有効に活用しましょう。
写真・動画など、視覚情報による訴求を得意とするSNSです。ストーリーズやリールといった機能は若年層に支持されており、ターゲットとするのであれば特に有効です。またインフルエンサーマーケティングにも活用されています。
幅広い世代に利用されており、長文やリンク付き投稿もできるため、観光スポットや施設情報の紹介に適しています。口コミやレビューの拡散にもつながります。
若年層からの支持を集める動画共有アプリです。ショートムービーの共有が中心であるため、音や映像を含め直感でわかりやすい発信を心がけましょう。
速報性や拡散力の高いプラットフォームです。トレンドを取り入れた投稿により、商品の魅力を訴求できるほか、ユーザーとのコミュニティも構築できます。ハッシュタグの活用や、インフルエンサーとのタイアップによる広告も効果的です。
アジア圏はもちろん、欧州・中南米でも広く使われているメッセージアプリです。チャット上で商品を紹介できる機能があり、販促ツールとしての活用も可能です。
マップ検索は現地行動の意思決定そのもので、位置+口コミ+予約導線がワンストップ。
施策チェックリスト
カテゴリ/属性を国籍別検索ワードで最適化(例:“Ramen restaurant” と “拉麺店”)
写真枚数 100 枚/動画 30 秒×10 本 を目標に充実
口コミ返信は 24 時間以内・多言語・指名署名 で信頼度アップ
メニュー・商品名は「多言語メニュー」セクションを活用
コミュニケーションツール現地化
LINE ➔ 韓国・台湾、WhatsApp ➔ 欧米・中南米、WeChat ➔ 中国本土。
KOL(Key Opinion Leader)/在日インフルエンサー とのコラボで “UGC ブースター” を設置。
体験型オファー を商品化:茶道体験セット、限定フォトスポット、アフターサービス(多言語保証書 etc.)。
インバウンド需要を取り込む際には、解消すべきデジタル課題があります。ここからは以下4点の課題を確認し、それらを解決できるツールについて紹介します。
多言語対応への遅れ
SNS運用には労力がかかる
効果測定が難しい
文化的な背景への配慮が必要
令和5年度の観光庁によるアンケートでは、訪日外国人が旅行中困ったことについて「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」が22.5%、「施設等のスタッフとのコミュニケーション」が35.9%の割合で挙げられています*。
*観光庁「令和5年度「訪日外国人外国人の受入環境整備に関するアンケート」調査結果」
訪日外国人は、日本滞在中もスマホやパソコンで情報を調べ、行き先を決めます。しかし、日本語のみのサイト・看板では、そもそも情報にたどり着けなかったり、誤解を招いたりする恐れがあります。
特に宿泊施設・飲食店など、訪日外国人が訪れる頻度が高い業種では、英語・中国語・韓国語といった主要言語への対応が重要です。翻訳精度の高い多言語対応ツールを使えば、コストを抑えつつ外国語ページの整備が可能です。
SNSを活用すれば、訪日前の外国人にも魅力を発信できます。特にInstagramやTikTokのような視覚情報に訴えかけるプラットフォームは、旅行先を決めるきっかけになることも多く、活用価値は高いです。
ただし、SNS運用には定期的な投稿・コメント対応・コンテンツ企画など多くの工数が必要です。同時に多言語対応を含めると、さらにハードルは上がります。店舗や施設の担当者が片手間で運用するには限界があり、更新が滞るケースも珍しくありません。
そこでSNS一括管理ツール・運用代行サービスなどを活用すれば、複数言語・複数媒体での安定した発信ができ、現場の負担を抑えられます。
SNS・Webサイトなど、インバウンド施策の成果を把握するには効果測定が欠かせません。しかしターゲットとする国や地域が多岐にわたると、何がどの層に響いているのかを把握するのが難しくなります。
例えばInstagramに投稿したコンテンツへの反応は良くても、実際の来訪にどれだけつながったのかは別問題です。アクセス解析ツール・CRMと連携させたデータ分析が必要ですが、使いこなすには知識や経験が求められます。
施策の精度を高めるには、チャネル横断でのユーザー行動を把握できる環境整備が必要です。
言語だけでなく、文化的な価値観や宗教観への理解も欠かせません。例えばムスリム向けにハラール対応のレストランを明示したり、ベジタリアン・ビーガンの選択肢を紹介したりといった工夫は、特定の地域からの旅行者にとって大きな安心材料となります。
また、ジェスチャー・表現方法にも配慮が必要です。善意で提示した情報でも、海外では不適切な表現と捉えられる場合があります。海外経験のあるスタッフの意見なども取り入れながら、発信内容をチェックする体制があると安心です。
インバウンド対策にSNS・Googleビジネスプロフィールを活用する場合、情報発信を効率化し、運用の質を高めるために「SNS管理ツール」の導入を検討するとよいでしょう。
たとえば複数のSNSアカウントを一括で管理できるツールであれば、Instagram・Facebook・X(旧Twitter)などで同時投稿ができます。投稿内容の一貫性を保てるだけでなく、作業時間も大幅に短縮することが可能です。
また近年は、SNS運用の戦略設計から投稿代行までをサポートする運用支援型のツールも増えています。こうしたツールを活用することで、専門性の高いSNS活用が実現でき、本業に集中する体制も整えやすくなります。
SNS管理ツールは、提供する機能やサービスによって料金が異なります。目的に合致したツールを選択できれば、SNS管理の工数を削減した上でマーケティングの効果を最大化できるでしょう。
以下は、管理ツールの比較ポイントです。
運用したい媒体に対応しているか
Instagram/TikTok/Facebook/X/LINE/Google ビジネスプロフィール など、現在+今後運用したい媒体を一元管理できるか
MEO 強化が目的なら、GBP の投稿・口コミ返信・メニュー登録に対応しているか
操作性は良好か
ダッシュボードの見やすさ、投稿予約やワークフロー設定の直感性
無料トライアルで「投稿予約→レポート出力」まで試し、クリック数や所要時間を確認
多言語対応が可能か
投稿文・コメントを自動翻訳できるか(主要4言語:英・繁・簡・韓+追加言語)
言語別プレビューや一括配信が可能か
レポート&分析機能はあるか
パフォーマンス指標(リーチ・エンゲージメント・CVR)を媒体横断で比較できるか
GA4 や CRM との連携でコンバージョンまで追えるか
自動化/ワークフローはあるか
投稿カレンダー、承認フロー、UGC 収集などの自動化レベル
エラー通知や AI レコメンド(最適投稿時間・ハッシュタグ提案)の有無
サポート体制は整っているか
導入オンボーディング、QA 対応の速度・チャネル(電話/チャット)
コンサルティングや運用代行サービスの有無と範囲
インバウンド需要に対応するには、複数のSNSを管理し、多言語対応などの施策を講じる必要があります。イクシアス株式会社の集客サイト・SNS・地図アプリ一括管理ツール「STORE PAD」であれば、これらの課題をまとめて解決できます。
複数媒体と連携しており、1つの管理画面から、投稿や口コミを一括管理できます。自動翻訳機能によって多言語対応も可能です。運用代行プランもあり、インバウンド需要の取り込み施策をお任せすることもできます。
訪日外国人の増加に伴い、インバウンド需要は日本経済において重要な鍵となっています。
「モノ消費」から「コト消費」へのシフト・地方観光の活性化・多言語対応などの取り組みは、地域経済やサービス品質の向上にもつながります。
インバウンド需要を効果的に取り込むためには、ターゲットごとのニーズ調査を徹底し、デジタル施策やSNSを活用した的確な訴求をしましょう。
店舗ビジネスの成功を左右するのは「集客」と「顧客満足度」です。店舗事業者が押さえるべき基本的な集客手法から、ポータルサイトやホームページの活用法、Googleビジネスプロフィールの攻略ポイント、SNSマーケティングの基礎知識、さらにはUGC(ユーザー生成コンテンツ)や口コミの活用まで、実践的なノウハウをぎゅっと詰め込みました。 無料でダウンロードできますので、ぜひお店の集客やマーケティングに役立ててください。
監修者プロフィール
遠藤 啓成(Endo Hiromasa)
イクシアス株式会社 マーケティング・セールス室 室長。USENにてPOSレジをはじめとするDXサービス全般のマーケティングや事業企画、店舗事業推進部企画課課長として飲食店やホテルの運営にも従事。複雑化する店舗のWEB集客課題を解決したいという強い思いからイクシアスに参画。フリーランスの美容師としても活動中。管理美容師、化粧品検定1級、食品衛生管理責任者、防火防災管理者、ITパスポートを保有。USEN時代には、優れた業績を評価されGOODJOB賞を受賞。
