
厚生労働省の「令和6年版情報通信白書」によると、日本のSNSの利用者数は2023年で約1億500万人であり、おおよそ総人口の8割以上がSNSを利用しています。
飲食店経営者やマーケティング担当者の中には、SNSの利用者数が多いために集客効果を期待して、SNS運用を始めようとしている方もいるかもしれません。
SNSによる集客で成功するためには、ただ投稿を続けるのではなく、運用目的やターゲットを明確にし、PDCAサイクルを回すことが重要です。
そこで本記事では、SNS運用で成功するための具体的なステップや、SNS運用のメリットやおすすめのSNSも紹介します。これからSNS運用を検討されている方は、参考にしてください。
※■POINT※
・SNS運用は低コストで実行できるが、更新の手間がかかる
・目的とターゲットを決めてから、運用するSNSを選択する

SNSを活用すれば、低コストで集客できるだけでなく、顧客との交流も可能です。ここでは、飲食店がSNSを運用する主なメリットを紹介します。
SNSのアカウントは、基本無料で作成・運用(一部有料機能あり)できます。テレビや新聞広告のような高額な広告費は不要です。ただしSNSの利用者すべてが、自店舗に興味を持っているわけではないため、ターゲットを意識した魅力的な投稿や効果的なマーケティングが欠かせません。
SNSではコメントやDMを通じて、見込み客と直接交流できます。丁寧な対応を心がけることで、店舗への信頼が高まり、リピーター獲得や口コミにつながりやすくなります。さらに、やり取りを公開することで、他のユーザーにも好印象を与え、安心感を持ってもらえます。
SNSのシェア機能により、投稿が多くの人に広がる可能性があります。特に、ユーザーが自主的にシェアする投稿は広告よりも信頼されやすく、新たな顧客層の獲得につながります。
写真や動画を活用することで、料理の見た目や店舗の雰囲気を視覚的に伝えられます。顧客は店舗のイメージをしやすくなり、安心して訪れるきっかけにつながります。
広告を敬遠するユーザーにも、SNSなら興味を引く投稿を通じてアプローチできます。特にSNSは多くの人が日常的に利用するツールのため、自然と受け入れられやすい特徴があります。
営業時間の変更や臨時休業、新メニューの導入など、重要な情報をタイムリーに発信できます。理由を添えて投稿することで、顧客の理解を得やすくなります。SNSのリアルタイム性を活かして、集客や顧客との関係強化に役立てましょう。
SNS運用には多くのメリットがありますが、従来の宣伝手法にはないリスクも伴います。ここでは、運用時に注意すべきポイントを解説します。
不適切な投稿により批判が殺到し、炎上する可能性があります。SNSは自由に発信できる場ですが、個人情報や不確かな情報、センシティブな内容の投稿は避けましょう。炎上すると対応が難しくなるため、運用前にルールを決めておくことが重要です。
ポスターやチラシは一度作成すれば完了しますが、SNSは継続的な更新が必要です。プロフィールの充実、画像や動画の撮影、定期的な投稿やコメント対応を続けなければなりません。更新が滞ると、アカウントの印象が薄れ、ユーザーの関心が低下する原因になります。SNSでの集客は参入障壁は低いものの、簡単に集客できるわけではないため、長期的に運用する前提で始めましょう。
フォロワーを増やし、影響力を高めるには数カ月から半年以上の継続的な運用が必要です。投稿を続けても、初期段階ではすぐに集客に結びつかないことが多いため、根気強く運用することが大切です。
フォロワーを購入する手段もありますが、多くのSNSでは利用規約違反とされ、アカウント停止やブランドの信頼低下につながるリスクがあります。また、購入したフォロワーは「いいね」やコメントをしないため、エンゲージメントが低くなり、アルゴリズム上の評価が下がる可能性があります。
SNSでの集客は時間をかけて関係を築くことが重要なため、短期間での成果を求める場合は他の集客方法と併用するのがおすすめです。
SNS運用の目的やターゲット層に応じて、適切なSNSを選ぶことが重要です。ここでは、日本で主に利用されているSNSの特徴やユーザー層について解説します。
Instagramでは、写真や動画で店舗の雰囲気や料理の魅力を視覚的に伝えられるため、飲食店との相性が抜群です。国内の月間アクティブユーザー数は6,600万人以上で、全世代の利用率は50.1%です。特に10代〜20代の女性ユーザーが多く、おしゃれなカフェや映える料理を提供する店舗に向いています。
Facebookは実名登録制のため信頼性が高く、地域コミュニティとのつながりを強化するのに適しています。国内の月間アクティブユーザー数は約2,600万人とされています。全世代の利用率は29.9%で、30代の利用率が最も高い(46.5%)といわれています。仕事帰りに立ち寄る居酒屋やバーなどの集客に向いており、ユーザー同士のつながりが強いため、口コミによる新規顧客の獲得も期待できます。
X(旧Twitter)は匿名性が高く、本音の投稿がしやすいため、店舗体験や料理の感想を収集するのに最適です。国内の月間アクティブユーザー数は約6,700万人で、全世代の利用率は45.3%で、特に20代の利用率が約8割といわれています。リアルタイムでの情報発信や、リポストによる拡散力の高さが強みです。一方で、悪質な投稿をするユーザーもいるため、炎上のリスクに注意が必要です。
TikTokは10代のユーザーが多く、若年層へのアプローチに優れています。国内の月間アクティブユーザー数は3,300万人以上とされており、全世代の利用率は28.4%で、特に10代の利用率は6割以上といわれています。また「食べログ」とも連携しており、投稿に食べログのURLを貼れるため、興味を持ったユーザーを直接予約ページへ誘導可能です。
LINEは国内月間アクティブユーザー数が9,700万人以上で、全世代の利用率は94%と、主要SNSの中で最も高い数値を誇ります。ショップカードやクーポン発行機能を活用すれば、販促効果も期待できるでしょう。また、クーポン配信機能と組み合わせることで、効果的な販促活動が可能です。ただし、「友だち追加」が必要となるため、既存顧客との関係強化やリピーターの獲得に適しています。
SNS運用で成功するための具体的な手順は以下のとおりです。
店舗の強みやこだわりを洗い出す
目的とターゲットを決定する
SNSを選択する
運用計画の立案をする
コンテンツ戦略を決める
ハッシュタグやキーワードの戦略を立てる
ユーザーとの関係構築
広告やキャンペーンの活用を検討
運用の負担を減らす仕組みを作る
投稿を開始し、効果測定と改善をする
SNSで一貫性のある発信を行うために、店舗の強みやこだわりを洗い出しましょう。例えば、以下のような点がアピールポイントになります。
価格の安さ
居心地の良さ
料理のおいしさ
料理の量
料理提供の早さ
上記のほかにも、無農薬野菜の使用・熟成肉の提供・伝統的な器の活用などのこだわりも訴求ポイントになります。従業員の意見や顧客アンケートを活用し、強みを整理しましょう。
「幅広い層にアプローチしたい」とターゲットを決めずに運用すると、誰にも響かない投稿になりがちです。以下のようにSNS運用の目的を明確にすると、発信内容の方向性がブレません。
新規顧客の獲得
リピーターの増加
ブランド認知の向上
「この投稿は自分向けだ」とユーザーに感じさせることで、関心を引きやすくなります。
効果的にターゲット層にアプローチするため、目的とターゲットに合わせて適切なSNSを選択しましょう。SNSごとのユーザー層や特徴を以下にまとめました。
Instagram:10代~20代の女性の利用率が高い、視覚的に訴求が可能
Facebook:40代の利用率が高い、実名登録制なので信頼性が高い
X(旧Twitter):20代の利用率が高い、若年層の集客に向いている
TikTok:10代が最も多い、若年層の集客に向いている
LINE:全世代で利用率が高い、幅広く集客が可能
SNS運用の効果を最大化するには、以下のような投稿頻度や時間の計画を決め、さらに担当者を明確にすることが重要です。
投稿頻度:週3回、毎日ストーリー更新など
投稿時間:ターゲットが最もアクティブな時間帯を狙う
担当者の設定:責任の所在を明確にし、一貫した運用を行う
上記のような計画を定め、継続的に運用することで、安定した効果測定が可能になります。
投稿内容に統一感がないと、ブランドイメージがぼやけてしまいます。以下のように投稿の種類や画像・動画のルールを決めると良いでしょう。
投稿の種類:メニュー紹介、スタッフ紹介、イベント告知、UGC活用
画像や動画のルール:統一感のあるビジュアルを作る
投稿頻度:週3回投稿 or 毎日ストーリー更新
適切なハッシュタグやキーワードを設定し、投稿をより多くの人に届けましょう。
良い例:「#渋谷カフェ」「#○○レストラン」(人気タグ+ローカルタグ)
悪い例:「#カフェ」「#レストラン」(人気タグのみで埋もれる)
また、投稿内容と関連性の高いキーワードを使用しましょう。ユーザーの期待と異なる投稿にならないよう注意が必要です。
新規顧客やブランド認知の拡大だけでなく、ファンの獲得も重要です。リピート率の向上や飲食競合への流出を防げるほか、積極的に情報を発信してくれる可能性も高まります。ユーザーとの関係構築には、以下のような方法があります。
コメントやDMへの返信ルールを決める
ユーザー投稿(UGC)をリポストするかどうか
フォロワーとの交流企画(Q&A、アンケート、クーポン配布 など)
ブランド認知の拡大や新規顧客の獲得には、広告やキャンペーンの活用が効果的です。アカウントを開設した直後は閲覧数が少なく、影響力も限定的なため、投稿を継続しながらフォロワーや「いいね」、コメントを増やしていく必要があります。
しかし、広告やキャンペーンを活用すれば、こうした工程を短縮できます。例えばInstagram広告・Facebook広告を利用すれば、広告経由の流入が期待できます。また、「フォロー&いいねで割引」といったキャンペーンを実施すれば、来店のきっかけにつながるかもしれません。
SNS運用には、戦略立案・コンテンツ作成・投稿・効果測定・ユーザー対応など、幅広い業務が含まれます。これらの負担を軽減するために、投稿予約ツール(Meta Business Suite、Bufferなど)を活用したり、運用体制を明確にしたりすることが重要です。
運用の負担が大きいと、担当者にとってストレスになり、投稿内容にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、適切な仕組みを整え、負担を分散させる工夫が必要です。
または、運用代行を提供している会社に業務を委託するという選択肢もあります。詳しくはこちらの記事へ
SNS運用は、投稿して終わりではありません。投稿に対する反応を分析し、改善を重ねることで、より高い成果につながります。効果測定では、アクセス数・コメント数・フォロワー増加数・「いいね」の数などを確認し、設定したKPIと比較します。
例えば「コメント数30件」を目標に設定し、実際の結果が5件だった場合、投稿のタイミング・内容・コメントしづらい要因を分析し、改善を行いましょう。継続的に成果を出すには、PDCAサイクルを回しながら運用していくことが重要です。

SNS集客を成功させるポイントとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、SNS集客を成功させる4つのポイントを紹介します。
SNSの管理には手間がかかるため、目的やターゲットに応じて優先順位をつけましょう。
例えばビジュアルの重視ならInstagram、新メニューやお得情報の発信にはX(旧Twitter)、既存顧客向けのクーポン配布にはLINEが適しています。それぞれの強みを活かすことで、より効果的に集客できます。
SNS運用を成功させるには、専門の担当者や専任チームを設けることが重要です。役割や責任が明確になり、業務に対する意識が高まるだけでなく、モチベーション向上にもつながります。また、SNSのトレンド変化にも柔軟に対応しやすくなります。
運用ルールを統一することで、担当者が複数いても一貫性のある運用が可能です。投稿時間・トーン&マナー・ユーザー対応の方針などを明確に決めておくと、独自の判断による不適切な投稿を防げます。統一感のない発信はユーザーの不信感を招くため、ポリシーを策定してから運用を始めましょう。
フォロワーを増やすには、データ分析をもとに効果的な投稿を見極め、改善を重ねることが重要です。代表的な戦略には以下のような方法があります。
ハッシュタグ戦略:人気のタグとローカルタグを併用
ユーザー投稿の活用:「#店名」を付けてもらうキャンペーン
コラボ投稿:地元のインフルエンサーや他店との相互PR
SNS運用の負担を軽減するツールとしておすすめなのが「STOREPAD」です。これはイクシアス株式会社が提供するオールインワンDXツールで、店舗の集客をサポートします。
通常、複数のSNS(Facebook、Instagram、Xなど)を運用する場合、それぞれに投稿が必要ですが、「STOREPAD」を使えば一括投稿が可能です。また異なるSNSの口コミを一元管理できるため、各アカウントにログインする手間も省けます。
飲食店や美容院、クリニック、歯科医院など幅広い業種で導入実績があります。SNS運用の効率化を検討している方は、ぜひ活用を検討してみてください。
飲食店がSNS運用で成功するには、目的とターゲットを明確にし、PDCAサイクルを回すことが重要です。
まず新規顧客の開拓・ファンの獲得・ブランド認知のどれを目的とするか決め、ターゲット層を明確にします。次に、投稿ごとにアクセス数・フォロワー数・ユーザーの反応などを分析し、目標の達成度を確認しましょう。未達成の場合は原因を追究し、改善を繰り返して品質を向上させます。
ただし、SNS運用には戦略立案・コンテンツ作成・投稿・効果測定・ユーザー対応など、多くの業務が伴います。負担を軽減し、効率的に運用するためにも「STOREPAD」の導入をぜひご検討ください。
店舗ビジネスの成功を左右するのは「集客」と「顧客満足度」です。店舗事業者が押さえるべき基本的な集客手法から、ポータルサイトやホームページの活用法、Googleビジネスプロフィールの攻略ポイント、SNSマーケティングの基礎知識、さらにはUGC(ユーザー生成コンテンツ)や口コミの活用まで、実践的なノウハウをぎゅっと詰め込みました。 無料でダウンロードできますので、ぜひお店の集客やマーケティングに役立ててください。
監修者プロフィール
遠藤 啓成(Endo Hiromasa)
イクシアス株式会社 マーケティング・セールス室 室長。USENにてPOSレジをはじめとするDXサービス全般のマーケティングや事業企画、店舗事業推進部企画課課長として飲食店やホテルの運営にも従事。複雑化する店舗のWEB集客課題を解決したいという強い思いからイクシアスに参画。フリーランスの美容師としても活動中。管理美容師、化粧品検定1級、食品衛生管理責任者、防火防災管理者、ITパスポートを保有。USEN時代には、優れた業績を評価されGOODJOB賞を受賞。
