
患者がクリニックを探す際、Google検索やGoogleマップに表示される診療時間や所在地、口コミ、評価は、受診先を選ぶ判断材料になります。Googleマップで自院を見つけてもらい、予約や来院につなげるには、Googleビジネスプロフィールの情報を整え、継続して運用することが欠かせません。
一方で、「何から始めればよいかわからない」「対策を続けても順位が上がらない」と悩むクリニックも少なくありません。
本記事では、クリニックにMEO対策が必要な理由、Googleマップの順位を決める要素、具体的な施策、診療科目別のカテゴリ設定を解説します。Googleマップに表示されないときや、順位が上がらないときの見直し方も紹介します。
クリニックを探す患者は、Google検索やGoogleマップで診療時間や所在地、口コミなどを確認します。Googleビジネスプロフィールの情報を整えることで、電話や経路検索、予約などにつなげやすくなります。
急な病気やけがで受診先を探す場合、患者は現在地から近く、受診しやすいクリニックを探します。Googleマップは位置情報や検索地域が反映されるため、来院意欲の高い患者に見つけてもらいやすいのが特徴です。
また、口コミや評価も表示されるため、基本情報を整え、口コミに対応しておくことも受診先を選ぶ判断材料になります。
通常のGoogle検索では、大手の医療ポータルサイトや情報サイトが上位を占めることがあります。一方、Googleマップでは検索者の現在地や検索地域も考慮されるため、小規模なクリニックでも地域内で上位表示を狙えます。
MEO・Web広告・SNSの違いについては、[いまさら聞けないMEO vs 広告 vs SNSそれぞれの特徴とは?]もあわせてご覧ください。
STOREPADが歯科医院の院長・経営層100名を対象に実施した調査では、集患や情報発信で最も利用している媒体として「Googleマップ」が57%で最多となりました。
詳しいデータは、【歯科医院 院長・経営層100名調査】集患・情報発信で最も利用される媒体は「Googleマップ(57%)」で確認できます。
Googleマップの検索順位では、主に「関連性」「距離」「知名度」の3つの要素が考慮されます。
患者が検索した内容と、自院のGoogleビジネスプロフィールや公式サイトの情報がどれだけ合っているかを見る要素です。
診療科目や対応できる症状、治療内容をわかりやすく掲載しておくと、「地域名+診療科目」「地域名+症状」といった検索との関連性を伝えやすくなります。
検索者の現在地や指定した地域から、クリニックまでの近さも順位に影響します。
距離そのものは変えられないため、住所に誤りがないか、Googleマップ上の位置が正しいかを見ておきます。
口コミの数や評価、公式サイトや外部サイトでの掲載状況なども、クリニックの知名度を判断する材料になります。
3つの要素とGoogleマップの仕組みを詳しく知りたい方は、【2025年最新】MEOアルゴリズム完全解説!Googleマップで確実に上位表示を狙う方法もあわせてご覧ください。
クリニックのMEO対策では、主に次の7つに取り組みます。
Googleビジネスプロフィールの基本情報を正確に登録する
口コミの収集・返信を行う
診療内容に合ったカテゴリを設定する
診療情報や投稿を更新する
写真や動画でクリニックの雰囲気を伝える
予約ページへの導線を設ける
診療内容・サービスを登録する
まず、自院のGoogleビジネスプロフィールを管理できる状態にします。クリニック名、住所、電話番号、診療時間、休診日、公式サイト、予約ページなどは、現在の情報にそろえてください。
公式サイトや予約サイト、医療ポータルサイトにも古い住所や電話番号が残っていないか見直します。特に移転や電話番号の変更後は注意が必要です。
■登録する基本情報
正式なクリニック名
住所と建物名
電話番号
診療時間と休診日
公式サイトと予約ページ
院内掲示やQRコードなどを使い、来院した患者が口コミを投稿しやすい導線を用意します。
口コミには丁寧に返信しますが、病名や治療内容など、個人の診療内容が推測できる情報には触れないよう注意が必要です。
また、高評価を指定したり、特典と引き換えに投稿を求めたりせず、評価や内容を誘導しない形で案内します。
メインカテゴリには、自院の中心となる診療内容に最も近いものを選びます。複数の診療科目がある場合は、必要に応じて追加カテゴリで補います。
診療科目別の具体的な選び方は、次の章で解説します。
診療時間や休診日、予約方法、担当医、予防接種の受付状況などに変更があれば、Googleビジネスプロフィールにも反映します。
投稿機能では、臨時休診や診療体制の変更など、患者が受診前に知りたい情報を発信できます。投稿数を増やすより、必要な情報を新しい状態に保つことを優先します。
■投稿内容の例
診療時間の変更
臨時休診のお知らせ
予防接種の受付状況
オンライン診療の案内
新しい設備や診療体制の紹介
外観や受付、待合室、診察室などの写真があると、患者は来院前に院内の様子を把握できます。
外観や入口は、現地でクリニックを探す際にも役立ちます。ビル内にある場合は、建物の入口や階数、院内までの経路がわかる写真も掲載するとよいでしょう。
■掲載する写真の例
外観、入口、看板
駐車場や駐輪場
受付、待合室
診察室、設備
スタッフ
院内までの経路
写真は現在の院内や外観がわかるものを使い、実物と印象が変わるような過度な加工は避けます。
オンライン予約に対応している場合は、Googleビジネスプロフィールから予約ページへ直接進めるようにします。
リンク先は、可能であれば公式サイトのトップページではなく、予約手続きに進めるページを指定します。
対応する予約サービスであれば、「Google で予約」が使える場合もあります。提供状況や設定方法は変わる可能性があるため、最新情報はGoogle公式情報をご確認ください。
基本情報とは別に、自院で提供している具体的な診療内容やサービスも登録できます。
患者が対応内容を把握できるよう、実際に提供しているものを整理して掲載します。診療内容を変更した際は、こちらの情報も更新します。
Googleビジネスプロフィールでは、自院の中心的な診療内容を表すカテゴリをメインに選びます。複数の診療科目がある場合は、追加カテゴリで補えます。
選択したカテゴリはGoogleのローカル検索順位にも影響します。診療実態とずれたカテゴリを選ぶと、関連する検索との一致度が下がり、表示されにくくなる可能性があります。
主な診療科目のカテゴリ例は次のとおりです。
主な診療科目 | メインカテゴリ候補 |
内科 | 内科医 |
整形外科 | 整形外科、整形外科医 |
皮膚科 | 皮膚科医 |
歯科 | 歯科医院 |
美容外科 | 美容外科医 |
カテゴリは変更される場合があります。実際に登録する際は、Googleビジネスプロフィールの管理画面に表示される候補から、自院の診療実態に最も近いものを選んでください。
美容外科と美容皮膚科の両方を扱う場合は、検索対策ではなく、実際の診療内容を基準にします。
外科的な美容医療が中心なら美容外科に近いカテゴリ、レーザー治療や皮膚治療が中心なら皮膚科に近いカテゴリが候補になります。両方を主要な診療として扱う場合は、一方をメイン、もう一方を追加カテゴリにします。
メイン以外にも主要な診療科目があれば、追加カテゴリを使います。
すべての施術やサービスを登録する必要はありません。実際の診療内容に合うものに絞り、診療内容が変わった際に見直します。
自院のGoogleビジネスプロフィールがGoogle検索やGoogleマップに表示されない場合は、順位対策の前に、登録状況やプロフィールのステータスを見直します。
Google検索やGoogleマップで院名と住所を検索し、自院のプロフィールがあるかを見ます。
プロフィールがなければ新規登録します。すでに存在しているものの自院で管理していない場合は、管理権限を申請し、オーナー確認を進めます。
院長交代や運用担当者の変更時は、プロフィールの管理権限も見直します。前任者のアカウントだけに権限を残さず、現在の担当者が管理できる状態にしておくと、退職・異動後の更新や権限変更で困りません。
同じクリニックのプロフィールが複数あると、重複と判断され、Google検索やGoogleマップに表示されなくなることがあります。
新規開業や事業承継では、同じ住所に以前のクリニックのプロフィールが残っているケースにも注意が必要です。同じ医療機関を承継するのか、別のクリニックとして新たに開業するのかによって対応が異なるため、院名と住所の両方で既存プロフィールを調べておきます。
重複が見つかった場合は、Googleの案内に沿って整理します。
Googleのガイドラインに違反していると判断されると、プロフィールが停止・無効化されることがあります。
管理画面でステータスを見て、停止されている場合は登録情報を見直します。問題を修正したうえで、必要に応じて再審査を申請します。
プロフィールの内容を変更しても、すぐに反映されない場合があります。
編集内容はGoogleの審査対象となり、通常は短時間で完了しますが、最長30日ほどかかることもあります。反映されない場合は、「保留中」などのステータスになっていないかを見てください。
Googleマップには表示されていても、基本情報やカテゴリ、口コミなどの状態によって順位が伸びないことがあります。
ただし、ローカル検索では検索者との距離も影響するため、対策だけで必ず上位表示できるわけではありません。自院で見直せる5つのポイントを紹介します。
移転や電話番号の変更後は、Googleビジネスプロフィールだけでなく、公式サイトや予約サイト、医療ポータルサイトに古い情報が残っていることがあります。媒体ごとの情報に食い違いがないか見直します。
■確認するポイント
クリニック名、住所、電話番号が正確か
診療時間や休診日が最新か
公式サイトや予約ページのURLが正しいか
古い住所や電話番号が他媒体に残っていないか
メインカテゴリは、自院の中心となる診療内容に最も近いものを選びます。複数の診療科目がある場合は、追加カテゴリで補います。
診療科目別の選び方は、前章の「【診療科目別】Googleビジネスプロフィールのカテゴリ設定」で解説しています。
■確認するポイント
メインカテゴリが中心的な診療内容を表しているか
必要な追加カテゴリを設定しているか
提供していない診療内容のカテゴリを設定していないか
同じ地域・診療科目の競合と比べると、自院の口コミ数や評価がどの程度なのかを把握できます。順位だけでなく、患者が受診先を選ぶ際の見え方を知る手がかりにもなります。
STOREPADが美容クリニック利用経験者を対象に実施した調査では、54.7%が「口コミ評価4.0以上」のクリニックを利用したいと回答しました。また、口コミの信頼性を判断するレビュー件数については、67.7%が「51件以上」を目安にしています。
美容クリニックを対象とした調査のため、すべての診療科に共通する基準ではありませんが、自院と競合の口コミ状況を比べる際の参考になります。詳しいデータは、美容クリニック選びは口コミ4.0以上が基準? 集客につながる“Googleレビュー数・評価”を徹底調査!で紹介しています。
口コミを増やす場合は、院内掲示やQRコードなどで投稿ページへの導線を用意します。特典との引き換えや、高評価を指定した依頼は避けてください。
■確認するポイント
競合と比べて口コミ数や評価に大きな差がないか
最近も口コミが投稿されているか
患者が口コミページへ進みやすい導線があるか
臨時休診や診療時間、予約方法などに変更があれば、Googleビジネスプロフィールにも反映します。公式サイトや予約サイトを含め、患者が目にする情報をそろえておきます。
■確認するポイント
臨時休診や診療時間の変更を反映しているか
予約方法や診療内容が現状と一致しているか
写真が現在の外観や院内設備と一致しているか
順位だけを追っていると、実際の集患につながっているかは判断できません。電話やルート検索、Webサイトへのアクセスなどもあわせて見ます。
Googleビジネスプロフィールの「パフォーマンス」では、プロフィールの閲覧数、検索に使われた語句、通話、ルート検索、Webサイトのクリックなどを把握できます。対策キーワードごとの掲載順位を継続して追う場合は、別途MEO順位計測ツールを利用します。
対策前後の数値は月単位で比較します。測定方法については、MEOにおけるアナリティクス(分析)機能とは?Googleマップで上位表示を狙うコツまで解説もあわせてご覧ください。
■確認する指標
対策キーワードごとの検索順位
プロフィールの閲覧数
プロフィールの表示につながった検索語句
電話、ルート検索、公式サイトへのアクセス
予約数、新患数
口コミ数・評価
Googleビジネスプロフィールで情報を発信する際は、医療広告に関する規制とGoogleのポリシーにも注意が必要です。特に、体験談や広告表現、症例写真、口コミの集め方には気をつけます。
患者の主観や伝聞に基づく、治療内容や効果に関する体験談を医療機関の広告に掲載することは禁止されています。
患者が自らGoogleマップなどに投稿した口コミとは扱いが異なるため、クリニック側が体験談を広告として転載・紹介しないようにします。
「絶対に安全」「必ず治る」など、効果や安全性を保証する表現や、「地域No.1」など他院より優れていると誤認させる表現は避けます。Googleビジネスプロフィールでも、事実に基づいて情報を発信します。
治療前後の症例写真を載せる場合は、治療内容、費用、主なリスクや副作用など、患者が判断するために必要な情報も併記します。治療結果を実際より良く見せるような加工も避けます。
Googleでは、実体験に基づかない口コミや、割引・無料サービスなどの特典と引き換えに投稿された口コミを禁止しています。高評価の口コミだけを選んで依頼したり、特定の評価や内容を求めたりすることも認められていません。
患者に口コミを案内する際は、評価や内容を指定せず、中立的に依頼します。
GoogleビジネスプロフィールやSNSを個別に運用していると、情報更新や口コミ対応、効果測定に手間がかかります。
「STOREPAD」は、GoogleビジネスプロフィールやSNSなど複数のメディアを一つの画面でまとめて管理できるサービスです。複数の医院を運営している場合も、掲載情報を一括で更新できます。
口コミの一元管理に加え、AIによる返信文案の作成や口コミ分析にも対応しています。MEO順位の計測、競合順位の分析、各メディアのインサイトデータも確認できます。
情報更新から口コミ対応、効果測定までを一つのツールで行いたいクリニックに適しています。
クリニックのMEO対策では、Googleビジネスプロフィールの基本情報やカテゴリを整え、口コミや診療情報を継続して更新していくことが基本です。
Googleマップに表示されない場合と、表示されても順位が上がらない場合では原因が異なります。状況を切り分けながら見直し、医療広告に関するルールとGoogleのポリシーにも配慮して運用を続けてください。
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店舗ビジネスの成功を左右するのは「集客」と「顧客満足度」です。店舗事業者が押さえるべき基本的な集客手法から、ポータルサイトやホームページの活用法、Googleビジネスプロフィールの攻略ポイント、SNSマーケティングの基礎知識、さらにはUGC(ユーザー生成コンテンツ)や口コミの活用まで、実践的なノウハウをぎゅっと詰め込みました。 無料でダウンロードできますので、ぜひお店の集客やマーケティングに役立ててください。
監修者プロフィール
遠藤 啓成(Endo Hiromasa)
イクシアス株式会社 マーケティング・セールス室 室長。USENにてPOSレジをはじめとするDXサービス全般のマーケティングや事業企画、店舗事業推進部企画課課長として飲食店やホテルの運営にも従事。複雑化する店舗のWEB集客課題を解決したいという強い思いからイクシアスに参画。フリーランスの美容師としても活動中。管理美容師、化粧品検定1級、食品衛生管理責任者、防火防災管理者、ITパスポートを保有。USEN時代には、優れた業績を評価されGOODJOB賞を受賞。
