
インバウンド需要が拡大する今、訪日外国人観光客へのアプローチにおいてSNSの重要性はますます高まっています。Instagram、Facebook、Weiboなど各プラットフォームの特性を理解し、ターゲット市場や文化背景に応じた情報発信を行うことが、集客成果を左右するカギとなります。
本記事では、インバウンド集客に効果的なSNS活用のポイントや注意すべきリスク、具体的なアプローチ方法までをわかりやすく整理し、これからインバウンド施策に取り組む企業や施設担当者が、すぐに実践できるノウハウを解説します。
※■POINT※
・訪日外国人は旅行の出発前の情報収集にSNSを活用するため、インバウンド集客ではSNS運用が重要になる。
・各プラットフォームの特性を理解し、ターゲットや目的に合わせて効果を最大化する。

昨今、インバウンド需要は増加傾向にあり、それに伴ってSNSの活用も重要性を増しています。はじめに、直近のインバウンド需要の動向について整理しておきましょう。
観光庁の調査によれば、2024年の訪日外国人旅行者数は3,687万人でした。これはコロナ禍以前と比較しても過去最多の記録です。近年の円安やビザの緩和が、訪日外客の増加を後押ししているといわれます。
地域別では特に韓国・中国・台湾などの東アジアが割合として大きく、この3地域で旅行消費額全体の40%以上を占めています。
近年、訪日客の消費傾向はかつての「モノ消費」中心から「コト消費」へシフトしています。爆買いブーム(2014〜15年頃)では家電やブランド品の大量購入が注目されましたが、現在は伝統文化体験、地域食体験、アドベンチャーツーリズムなど体験価値を重視する動きが顕著です。インバウンド集客の施策では、SNS上で“体験シーン”を可視化できる動画やUGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用が鍵となります。
観光庁が発表した「訪日外国人の消費動向調査(2024年1-3月期)」によると、訪日外国人が「出発前に役に立った旅行情報源」として、最も高い割合を占めたのがSNSの39.1%でした。次いで動画サイト(36.0%)、個人のブログ(26.0%)であり、InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどが情報源として活用されている傾向がわかります。
短文や画像・動画でわかりやすく現地の情報を発信できるSNSは、インバウンド対策においても重要です。各プラットフォームの特性を理解し、効果的な施策を行いましょう。
SNS活用によってインバウンド集客の効果を最大化するためには、それぞれの主要プラットフォームが得意とする発信方法や分野を理解しなければなりません。
ここからは、以下5つのSNSプラットフォームの特徴・活用法を紹介します。
Instagram(ビジュアル重視/若年層向け)
Facebook(コミュニティ形成/中高年層・欧米市場向け)
Youtube(長尺・短尺動画による体験訴求)
X(旧Twitter)(リアルタイム情報発信・キャンペーン拡散)
Weibo(中国本土市場向けSNS/インバウンド施策に必須)
画像・動画の発信がメインであるInstagramは、ビジュアル面を強く打ち出す訴求に向いています。そのため、有形の商品(モノ)についての情報発信にマッチしたSNSです。無形の商材やサービスの場合、視覚的に有効な発信が難しいかもしれません。
地域全体で6億人を超える人口を擁する東南アジアは、これからのさらなる発展が予想されるマーケットです。さらに、インターネットの普及が進んだ背景から、1日のSNS利用時間が長いことでも知られています。
若年層が多い東南アジアの人口構成は、Instagramを利用する層とも合致しています。インドネシアやシンガポール、タイ、マレーシアといった各国にターゲットを設定する場合は、積極的な活用を検討しましょう。
実名登録を原則とするFacebookはオフィシャルな発信を得意とし、信頼感の得やすさが特徴です。画像や動画・リンクの共有や長いテキストの投稿も可能であり、扱えるコンテンツが幅広いという利点があります。
日本では30代以上のビジネス層が活用するイメージが強いかもしれませんが、世界では最大級のアクティブユーザー数を抱えるSNSです。インバウンド集客においては、特に台湾で根強い支持がある点に注目しておきましょう。
長時間の視聴が期待できるYouTubeは、臨場感のある映像で体験型の魅力を伝えるのに適しています。観光地の景色や現地の雰囲気をリアルに届け、伝統行事や文化習慣についても視覚的にわかりやすく紹介できるでしょう。
また、チャンネルを開設して動画を発信する方法に加え、動画広告を活用する手段もあります。さらに、人気の動画投稿者(インフルエンサー)を起用して、認知拡大を図る施策も効果的です。
X(旧Twitter)は、拡散力とリアルタイム性に優れたSNSです。リポスト機能を通じて投稿が広まりやすく、多くの人に自社やサービスを知ってもらうチャンスがあります。
クチコミが広がると、消費者のポジティブな印象につながりやすく、定期的で一貫性のある投稿はファンの獲得にも効果的です。トレンドを取り入れた発信も、認知度アップに役立ちます。
Weiboは中国最大級のSNSで、ユーザー数は8億人を超えます。また、多くの企業も公式アカウントを開設しており、その数は140万社以上です。中国国内ではGoogle、Instagram、Facebookといった主要SNSへのアクセスが制限されているため、訪日インバウンド向け情報発信にはWeiboの活用が不可欠です。
特にショッピングモールや宿泊施設などでの活用が進んでおり、実際の訪日体験やクチコミ投稿の場としても活用できます。また、中国語での直接的なアプローチが可能な点も大きな強みです。

インバウンド集客において、SNSは重要な役割を果たします。しかし、ただ発信するだけでは効果は限定的です。ここでは、効果的なSNS活用に向けた具体的なポイントを紹介します。
SNS活用では、ターゲットとなる国や地域、文化背景に合わせた情報発信が不可欠です。幅広く訴求しようとすると、かえって誰にも響かないケースもあります。
例えば、どの国の観光客に向けて、どのような年齢層・来日目的を想定するかを具体的に絞り込むことで、表現や言語、提案の内容を最適化できます。
文化的価値観や習慣の違いを意識し、相手の視点に立った発信を行えば、共感を得やすくなります。効果的なSNS集客のためには、ペルソナの設定や適切な投稿内容の選択が大切です。
SNSごとに利用者層や得意な発信スタイルは異なります。目的に応じて複数のSNSを併用すれば、ターゲット層に広くアプローチできます。例えば、若年層向けにはInstagram、ビジネス層向けにはFacebookなど、特性を踏まえた使い分けが効果的です。
運用担当を分担しておくと、コンテンツの質や更新頻度を維持しやすくなります。リソースを整理し、各SNSの役割を明確にして運用を始めましょう。
多くのインターネットユーザーは、情報を母国語で得ようとします。日本語のみの発信では、せっかくの関心を取りこぼしてしまう可能性があります。そのため、英語や中国語、韓国語など、主要ターゲット国に応じた多言語対応が重要です。
さらに、ただ翻訳するだけではなく、文化や習慣に合わせた「ローカライゼーション」も意識しましょう。SNSでは複数言語での投稿や、YouTubeでの多言語字幕の活用が有効です。言語の壁をなくすことで、より多くの訪日客に魅力を届けられます。
SNS運用では、数値目標を設定しながらPDCAを回すことが重要です。「1カ月でフォロワーを〇〇人増やす」といった具体的、かつ実現可能なKPIを定め、定期的に効果を見直しましょう。
ただし、SNSは情報収集の場として利用されることが多く、投稿から即座に購買へつながるケースはまれです。そのため、売上と直接結びつかない「いいね」「リポスト」「口コミ」などの反応も、間接的な成果として丁寧に把握しましょう。
ハッシュタグやトレンドの分析、投稿に対するユーザーの反応の蓄積を活かしながら、小さな成果を積み重ねていけば、より精度の高い施策へとつながります。
インバウンド向けにSNSを活用する際には、効果的な運用と同時に、さまざまな課題にも向き合う必要があります。ここでは、投稿・返信の負荷、表現リスクといった主要な課題を紹介し、スムーズなSNS運用のために押さえておきたいポイントを解説します。
SNSで効果を出すには、定期的で一貫性のある投稿が欠かせません。ただし、日々の投稿作成やコメント対応には手間がかかり、本業の時間を圧迫するケースもあります。さらに、ハッシュタグの選定や投稿内容の工夫など、運用には知識も必要です。
投稿ごとに適切なハッシュタグ選定、文章やビジュアルの工夫、タイミング調整など、運用には専門的な知識と経験も求められます。リソースが限られている現場では、担当者の負担増加により、投稿頻度の低下や内容の質のばらつきが生じ、結果として集客効果が伸び悩むリスクもあります。
こうした負荷を軽減するためには、以下の対策が有効です。
投稿コンテンツを事前にまとめて作成・スケジューリングする
テンプレートや投稿カレンダーを活用して運用を標準化する
コメント返信やレポート作成を支援する運用ツールを導入する
必要に応じて外部パートナーへの委託も検討する
SNSでの情報発信では、文化的な違いへの配慮が大切です。国や地域ごとに価値観や習慣が異なるため、表現やタイミングを誤ると、相手にとっては無神経に感じられる場合があります。
特に注意すべき分野は、食文化、宗教、マナーに関する表現です。例えば、飲食店の投稿で豚肉料理を前面に打ち出す場合、イスラム教圏からの訪日客に対する配慮が欠けると、ブランドイメージを損なう可能性があります。また、特定の祝祭日や喪に服す期間に軽率なプロモーションを行うことも、ネガティブな印象を与える原因となります。
こうしたリスクを回避するためには、以下のポイントが重要です。
ターゲット国・地域ごとの文化・宗教に関する基本知識を事前に把握する
発信前に第三者チェック(多国籍チームや外部アドバイザー)を入れる
内容だけでなく、発信タイミングや言葉選びにも細心の注意を払う
インバウンド向けのSNS運用を効率化するなら、「STORE PAD」の活用が有効です。多言語での投稿管理、複数SNSアカウントの一括運用、口コミ・レビュー対応など、必要な機能がすべて揃っています。
分析機能も充実しており、限られたリソースでも質の高い情報発信が可能です。SNSの運用負担を軽減しながら、インバウンド集客に強いSNS戦略を支援できるツールです。
STORE PADは自動翻訳機能を搭載しており、日本語で作成したコンテンツを各国の言語に変換できるため、多言語対応もスムーズです。口コミ管理やMEO対策、分析機能も充実しており、インバウンド施策を総合的に支援します。リソースを抑えながら、訪日外国人観光客への発信力を高めたい企業にとって、心強いツールとなるでしょう。
インバウンド需要が高まる中、SNSは訪日外国人への情報発信に欠かせないツールとなっています。プラットフォームごとの特性を理解し、ターゲットに合わせた効果的な運用が求められます。本記事で紹介したポイントを参考に、戦略的なSNS活用を進めましょう。
運用負担を減らしつつ、効率的に集客を強化したい方には、「STORE PAD」の活用もおすすめです。
>>インバウンドプロモーション成功の秘訣とは?ホテル・観光施設の効果事例と実践ポイントを解説
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監修者プロフィール
遠藤 啓成(Endo Hiromasa)
イクシアス株式会社 マーケティング・セールス室 室長。USENにてPOSレジをはじめとするDXサービス全般のマーケティングや事業企画、店舗事業推進部企画課課長として飲食店やホテルの運営にも従事。複雑化する店舗のWEB集客課題を解決したいという強い思いからイクシアスに参画。フリーランスの美容師としても活動中。管理美容師、化粧品検定1級、食品衛生管理責任者、防火防災管理者、ITパスポートを保有。USEN時代には、優れた業績を評価されGOODJOB賞を受賞。
