
Google口コミを増やすために、投稿者へ割引やプレゼントを提供する店舗があります。しかし、口コミ投稿と特典を結び付ける行為は、評価の内容や抽選形式かどうかにかかわらず、Googleのポリシー違反です。
また、店舗側が関与した口コミを広告と分からない形で掲載すると、景品表示法のステルスマーケティング規制に抵触する可能性があります。PR表記の有無で判断する景品表示法と、特典付き口コミそのものを禁止するGoogleでは、基準が異なります。
この記事では、Google口コミで禁止されている施策と違反時の措置、特典を使わずに口コミを集める方法を解説します。すでに特典付き口コミを集めていた場合の対応も取り上げます。
Google口コミの投稿者へ割引やプレゼントなどを提供する行為は、Googleのポリシーで禁止されています。実際の利用体験に基づく口コミであっても、投稿と特典が引き換えになっていれば認められません。
禁止される特典には、現金やポイントのほか、割引、無料の商品・サービス、クーポンなどが含まれます。
具体的には、次のような施策が該当します。
口コミ投稿で会計から500円を割り引く
投稿者へドリンクや商品を無料で提供する
ポイントやクーポンを付与する
投稿者の中から抽選でプレゼントを渡す
口コミの削除や修正と引き換えに特典を提供する
抽選でも、口コミ投稿が参加条件であればポリシー違反です。店頭POP、SNS、メールのいずれで告知しても、投稿が特典の条件なら違反です。
星の数や口コミの内容を指定せず、投稿者全員へ特典を渡す場合も認められません。
例えば、次の案内もポリシー違反です。
「評価の内容は問いません。Google口コミを投稿した方に、次回使えるクーポンをプレゼントします」
判断基準は、高評価を求めているかどうかではなく、口コミ投稿によって利益を得られる仕組みになっているかどうかです。特典を付けず、評価や内容を指定しない形で、実際の利用者へ口コミを依頼することはできます。
口コミに「PR」「キャンペーン参加」と記載しても、Googleのポリシー違反は解消されません。広告であることを明示していても、投稿の見返りに特典が提供されていれば禁止対象です。
PR表記は、景品表示法のステルスマーケティング規制を判断する際の要素にはなります。しかし、Googleでは表記の有無ではなく、口コミが特典や報酬の影響を受けているかが問われます。
そのため、Google口コミではPR表記を付けるのではなく、投稿と特典を切り離す必要があります。
Googleでは、特典付きの口コミだけでなく、評価や内容の指定、依頼対象の選別、利害関係者による投稿、店内での強要も禁止しています。口コミは、実際の利用者が自分の意思で投稿するものでなければなりません。
「星5をお願いします」「接客がよかったと書いてください」など、評価や内容を指定してはいけません。低評価を書かないよう求めたり、投稿済みの口コミを削除・修正するよう迫ったりする行為も禁止されています。
満足度の高い顧客だけをGoogle口コミへ誘導する方法も認められません。口コミを依頼する場合は、満足度で対象者を選ばず、同じ条件に該当する利用者へ案内します。
従業員、経営者、家族、取引先など、店舗と利害関係のある人による投稿は、評価の操作と判断される可能性があります。
例:
従業員や家族が一般の顧客を装って投稿する
取引先へ高評価を依頼する
競合店舗へ低評価を投稿する
複数アカウントで口コミ数を増やす
代行業者から口コミを購入する
実在する投稿者でも、店舗での体験がなかったり、報酬を受けていたりすれば正当な口コミとは認められません。口コミ代行サービスを利用する場合は、投稿者、依頼方法、報酬の有無を確認してください。
店内でその場の投稿を求めたり、スタッフが投稿画面を確認したりする行為も禁止されています。
避けるべき運用は次のとおりです。
投稿が終わるまでスタッフが待つ
星の数や投稿内容を確認する
顧客のスマートフォンを操作する
投稿しない顧客へ繰り返し依頼する
店頭へのQRコード設置は可能です。ただし、その場で投稿させたり、画面を確認したりせず、利用者が任意のタイミングで投稿できる案内にします。
スタッフに口コミ件数のノルマを課す運用も避けます。件数目標が、強い働きかけや評価の指定につながるためです。
特典付きの口コミは削除される可能性があり、違反の内容によっては、口コミの投稿や表示が制限されることもあります。
割引、無料提供、報酬などと引き換えに投稿された口コミは、Googleのポリシー違反として削除の対象になります。
実際の利用体験に基づく内容でも、投稿の見返りに特典を受け取っていれば認められません。否定的な口コミの削除や修正と引き換えに特典を渡した場合や、代行業者から購入した口コミも同様です。
削除された口コミを、店舗側で任意に復元することはできません。
不正な口コミの操作が確認されたビジネスプロフィールには、次の措置が取られることがあります。
一定期間、新しい口コミや評価を受け付けない
一定期間、既存の口コミや評価を非表示にする
不正な口コミが削除されたことをプロフィール上に警告表示する
適用される措置は、違反の内容や状況によって異なります。
Googleが公表している措置は、口コミの削除や投稿・表示の制限、警告表示です。検索順位の低下やビジネスプロフィールの停止までは明示されていません。
特典付きの口コミは、景品表示法のステルスマーケティング規制の対象になる場合があります。ステルスマーケティングとは、事業者による広告であるにもかかわらず、一般の利用者による自主的な口コミのように見せる表示です。
ただし、特典を付けた口コミがすべて直ちに景品表示法違反になるわけではありません。景品表示法では、その口コミが店舗側の広告にあたるか、広告であることが利用者に明確に伝わっているかなどを踏まえて判断されます。
Googleでは、口コミの評価や内容を指定していなくても、投稿と引き換えに割引や無料提供などの特典を渡す行為は禁止されています。「PR」「キャンペーン参加」と記載しても、投稿と特典が結び付いていればポリシー違反です。
一方、景品表示法では、口コミが店舗側の広告にあたるか、広告であることが利用者に分かるよう表示されているかが判断材料になります。
つまり、PR表記は景品表示法上の判断には関係しますが、Googleのポリシー違反を解消するものではありません。
2024年6月、消費者庁は、東京都内のクリニックを運営する医療法人社団祐真会に対し、ステルスマーケティング規制に違反したとして措置命令を出しました。
※参考記事:「値引きするから」と口コミ「星5」を荒稼ぎしたクリニック 「ステマ天国」日本、やらせ規制はまだユルい
同法人は、インフルエンザワクチン接種費用の割引を条件に、Googleマップで星4または星5の口コミを投稿するよう来院者へ依頼していました。しかし、投稿には店舗側の広告であることが分かる表示がありませんでした。
消費者庁は、割引を条件に投稿を求めたこと、評価を指定したこと、広告であることを明示していなかったことなどから、ステルスマーケティングに該当すると判断しています。
Google口コミを依頼する際は、特典や評価の指定を避け、利用者が自分の意思で率直な感想を投稿できる運用にします。
Google口コミの施策は、特典の有無だけでなく、依頼対象の選び方や投稿時の働きかけによっても判断が変わります。代表例は次のとおりです。
施策 | Googleポリシー上の判断 | 景品表示法上の注意点 |
口コミ投稿者へ割引やクーポンを提供する | NG | 店舗側の関与や表示方法によって、ステマ規制の対象になる可能性がある |
投稿者の中から抽選でプレゼントを渡す | NG | 抽選でも投稿が条件なら、広告としての表示方法を確認する |
星4・星5を条件に特典を提供する | NG | 評価を指定しており、ステマ規制に抵触するリスクが高い |
口コミとは無関係に全来店者へ同じ特典を提供する | 口コミ施策には該当しない | 特典の内容によっては、通常の景品規制を別途確認する |
特典なしで利用者へ任意に口コミを依頼する | 原則として可能 | 評価や投稿内容を指定しない |
満足度の高い利用者だけに依頼する | NG | 好意的な口コミを選択的に集めない |
店頭に口コミ投稿用のQRコードを設置する | 原則として可能 | 投稿を強要せず、特典や評価指定と結び付けない |
従業員や家族に投稿させる、代行業者から口コミを購入する | NG | 利害関係や店舗側の関与を隠した表示は、ステマ規制の対象になる可能性がある |
特典の内容によっては、Googleポリシーとは別に景品表示法の景品規制が関係する場合があります。
特典付き口コミを実施していた場合は、施策を止めたうえで実施内容とGoogleからの通知を確認し、今後の運用を見直します。投稿者へ削除や評価変更を強く求めたり、新たな特典を提示したりしてはいけません。
口コミ投稿と特典を結び付けている施策を停止し、店頭掲示、自社サイト、SNS、メール・SMSなどに残っている案内を撤去します。
複数店舗では、本部から通知するだけでなく、各店舗で掲示物や配信設定が削除されているか確認します。投稿画面を見せてもらって特典を渡す運用や、スタッフが投稿件数を報告する仕組みも止めます。
実施期間、対象店舗、特典の内容、依頼方法、告知媒体、外部サービスの利用有無を整理します。どこに問題があったのかを確認し、社内説明や再発防止に使える形で記録しておきます。
あわせて、Googleビジネスプロフィールの管理画面や登録メールアドレスに、口コミの制限や警告に関する通知が届いていないか確認します。通知がある場合は、Googleが案内する手続きに沿って対応してください。
今後の依頼方法を決め、複数店舗では依頼文や案内のタイミングを本部で統一します。
複数店舗では、依頼文、QRコード、案内のタイミング、禁止事項を本部で統一します。本部は、各店舗で同じルールが守られているか確認します。
特典を使わなくても、実際の利用者へGoogle口コミを案内できます。評価や内容を指定せず、同じ条件に該当する利用者へ任意で依頼することが前提です。
店頭のポップやカード、メール、SMSに口コミ投稿ページのQRコードやURLを掲載します。
案内文は、次のように高評価を求めず、投稿が任意であることを伝えます。
「ご利用いただいた感想を、Googleマップにお寄せください。投稿は任意です」
店頭でその場の投稿を求めたり、スタッフが投稿画面を確認したりしてはいけません。メールやSMSを使う場合は、配信条件をあらかじめ決め、連絡先の利用目的や配信同意も確認します。
複数店舗では、依頼文、案内のタイミング、QRコード、禁止事項を本部で統一します。各店舗に任せると、独自の特典や過度な声かけが行われるおそれがあるためです。
口コミ件数をノルマや人事評価に使わず、案内ルールが守られているかを確認します。
投稿された口コミには、評価の高低にかかわらず返信します。高評価には感謝を伝え、低評価には事実確認や改善方針を簡潔に示します。
テンプレートを使う場合も、投稿内容に合わせて調整します。削除や評価変更を求めたり、その見返りに特典を提示したりしてはいけません。
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複数店舗では、口コミの確認や返信を各店舗に任せると、対応漏れや返信内容のばらつきが生じやすくなります。
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監修者プロフィール
遠藤 啓成(Endo Hiromasa)
イクシアス株式会社 マーケティング・セールス室 室長。USENにてPOSレジをはじめとするDXサービス全般のマーケティングや事業企画、店舗事業推進部企画課課長として飲食店やホテルの運営にも従事。複雑化する店舗のWEB集客課題を解決したいという強い思いからイクシアスに参画。フリーランスの美容師としても活動中。管理美容師、化粧品検定1級、食品衛生管理責任者、防火防災管理者、ITパスポートを保有。USEN時代には、優れた業績を評価されGOODJOB賞を受賞。

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