マガジン

飲食店経営はどう始める?開業までの流れや...

店舗運営

2025.11.07

飲食店経営はどう始める?開業までの流れや失敗しないためのノウハウも解説! 

  • # 飲食店

飲食店を開業したいと思う人は多くいますが、成功率は決して高くありません。経営を成功させるためには、資格取得や資金計画のポイント、集客開始のタイミングなどを押さえることが必要です。

この記事では、開業準備から集客戦略まで、飲食店経営に失敗しないための具体的なノウハウを解説します。


※■POINT※

・飲食店開業の前に資格を自分で取っておくと、資格保有者が退職する心配がなくなる。

・販促は開業の目途が立った時点から行うと良い。

飲食店を開業するための具体的なステップ

飲食店開業は、以下8つのステップで進めます。

  1. 必要な資格と申請・届け出

  2. コンセプト・事業計画書の作成

  3. 開業資金の調達方法

  4. 物件探しと店舗内装・外装の施工

  5. メニューの開発

  6. 仕入れ先の決定

  7. スタッフの採用と教育

  8. 販促・広報

必要な資格と申請・届け出

飲食店を開業する際には、食品衛生責任者と防火管理者の資格を取得しましょう。

食品衛生責任者は各店舗に1名の配置が必要で、1日6時間の養成講習を受講すれば取得できます。防火管理者は、収容人数30人以上の店舗で必要です。調理師免許は必須ではありませんが、メニュー開発や信頼性向上に役立ちます。

開業前には保健所への営業許可申請も忘れずに。経営者本人で資格を取得しておけば、有資格者のスタッフが退職する際のリスクも防げます。

コンセプト・事業計画書の作成

コンセプトを考える際は、和食やイタリアンといった業態だけでなく、家族向けやビジネスパーソン層といった顧客層も明確に設定します。例えば「駅前の手軽なランチ専門店」などの具体性が重要です。

コンセプト決定後は事業計画書を作成し、売上予測や初期費用を数値化します。金融機関からの融資を受ける際は計画書の提出が求められるため、市場調査に基づいた現実的な数値を記載しましょう。

開業資金の調達方法

飲食店開業では、店舗の内装工事や厨房設備の購入など多額の初期費用が必要です。資金計画を立てる際は、売上高の予測を月単位で行い、固定費や変動費を含めた収支計算を丁寧に行います。融資を申し込む場合は、自己資金を総費用の2~3割程度準備しておきましょう。

また、金融機関は事業計画書の提出を求める場合が多く、市場調査に基づいた現実的な数値と明確な返済計画が重要です。日本政策金融公庫などの政府系融資制度も活用でき、低金利での借り入れが可能なので、事前に情報を収集しておくと良いでしょう。

物件探しと店舗内装・外装の施工

物件選びでは、平日昼間・夜間・休日の3回に分けて現地調査をすると、人通りや競合店、想定客層とマッチする立地かどうかがわかります。物件の契約時は、契約書に「飲食店可能」と明記されていることを必ず確認しましょう。

物件が決まった後は、内装・外装施工です。内装は、コンセプトに沿ったデザインにしつつ、厨房動線を意識したレイアウトにします。外装は、看板などの視認性を確保し、歩行者がコンセプトやメニューが一目でわかる工夫をすると良いでしょう。

メニューの開発

メニュー開発では、コンセプトの具現化と原価率管理の両立がポイントです。例えば、イタリア料理店ならパスタを主力商品に設定し、一般的な目安とされる食材の原価率30%〜40%で価格を決めます。看板メニュー開発では、「SNS映え」する見た目やほかにない調理法などで独自性を出す取り組みも重要です。

また、店によっては調理時間などを短縮し、回転率も考慮しなければなりません。​客単価が​低ければ、​できるだけ​多くの​人に​料理を​提供できるよう、​効率的な​運営が​求められます。

仕入れ先の決定

仕入れ先は、卸売業者・市場・通信販売の3ルートを併用すると効果的です。鮮度が重視される野菜は市場、乾物や保存の効く食材は通信販売でまとめて仕入れると効率的です。

卸売業者と市場は「価格」「品質」「供給量」のバランスに優れており、仕入れ先としておすすめです。市場では実際に食材を見て品質を確認でき、卸売業者とは継続取引による価格交渉や安定供給も可能です。特に地元の小ロット対応業者であれば、個人店にも柔軟に対応してくれるケースが多く、信頼関係を築きやすいのも利点です。

スタッフの採用と教育

店舗オープンに向けては、単なる準備作業にとどまらず、「戦力化」と「定着化」を見据えたスタッフ研修が不可欠です。調理技術や接客スキルの習得はもちろん、オペレーションを安定させるために、開業前の段階から現場を想定したトレーニングを行いましょう。

新人スタッフには、OJTでの実地指導が効果的です。加えて、動画教材による衛生管理・調理手順の学習、ロールプレイ形式での接客練習など、業務を再現できるトレーニングを組み合わせると、理解と習熟度が高まります。

オンライン研修システムを活用すれば、繁忙時にも学習機会を確保でき、習熟度の平準化にも役立ちます。重要なのは、全スタッフが「いつ・誰が・何を・どう対応するか」を迷わず実行できる状態を整えることです。

販促・広報

オープンの目処が立った段階で、開店前からの販促活動を始めます。効果的なのが、SNSとGoogleビジネスプロフィールを活用した「事前認知の獲得」と「顧客との接点づくり」です。

InstagramやXなどのSNS公式アカウントを早期に開設し、店舗の内装工事の様子や試作メニュー、スタッフ紹介などを継続的に発信します。店舗の裏側を見せることで、地域の住民や想定顧客に親近感を持ってもらい、開店前からファンを増やす効果が期待できます。

2024年の調査では約80%の飲食店がInstagramを活用しており、その多くは内製運用です。まずは自分たちで発信を始めることが現実的な選択肢となります。併せて、Googleビジネスプロフィールに店舗情報を登録しておくことで、検索・マップ経由の認知獲得にもつながります。

飲食店の経営に必要なスキルとノウハウ

飲食店経営では、初期投資の計画や競合分析、売上管理のバランス調整が重要です。ここからは、飲食店の経営に必要なスキル・ノウハウについて、以下の4点を紹介します。

  • QSC(品質・サービス・清潔)の実践と応用

  • 食材仕入れなどのコスト管理・分析・改善

  • スタッフの教育・マネジメント

  • デジタル・アナログ両面での販促戦略の考え方

QSC(品質・サービス・清潔)の実践と応用

QSCは、品質(Quality)・サービス(Service)・清潔(Cleanliness)の行動指針であり、飲食店経営の根幹を成します。品質管理では調理工程の標準化で味や盛り付けを統一し、サービスでは接客マニュアルで応対品質を向上させます。清潔さではHACCPに基づく衛生管理を徹底し、定期的な従業員研修で意識付けを行いましょう。

さらに、「QSC+H(Hospitality)」でおもてなし要素を加えると差別化が可能です。

具体例としては、常連客の好みを記録した顧客管理システムの導入や、子連れ客へのキッズメニュー提供などが挙げられます。効果測定にはモニター調査を活用し、改善を継続的に実施することが重要です。衛生管理については、厚生労働省の指針に沿った食中毒防止を徹底し、顧客信頼を高めましょう。

食材仕入れなどのコスト管理・分析・改善

食材原価率は、売上の30~35%に抑えるのが理想です。そのためには、在庫管理と廃棄ロスの削減をしなければなりません。仕入れ先を複数確保し、価格交渉で単価を圧縮するとともに、発注システムで需要予測を高精度化しましょう。

具体的には、ABC分析で高単価食材の使用量を監視し、在庫回転率を週次でチェックします。廃棄率改善には、予約制メニューで食材調達量を最適化する方法が有効です。また、調理工程の見直しで野菜の皮まで活用するなど、食材利用率を向上させる工夫も必要です。月次で原価差異分析を行い、目標を達成していない原因を特定するプロセスが、持続的な改善につながります。

スタッフの教育・マネジメント

接客の質は顧客満足度に直結するため、体系的な教育プログラムが必須です。

以下のような教育体制を整えましょう。

  • OJT|接客マナー、メニュー知識の習得

  • ロールプレイ|クレーム対応の訓練

  • 座学研修/現場実習のカリキュラム設計|接客応対のフィードバック

  • HACCPに基づく手洗い指導|衛生管理

  • 表彰制度やキャリアパスの提示|従業員満足度(ES)向上の取り組み

  • 1on1面談の実施|課題の吸い上げ

デジタル・アナログ両面での販促戦略の考え方

マーケティングの核心は、4P(Product/Price/Place/Promotion)の最適化です。

デジタル施策ではInstagramで内装工事の進捗を発信し、予約アプリと連動した早期割引を実施します。アナログでは地域の企業へクーポン配布し、オープン前試食会で口コミを集めましょう。効果測定には顧客属性データを分析し、リピート率や単価向上につながる施策に集中投資します。

例えば、ランチタイムは価格訴求の投稿を、夜間は雰囲気映像をSNSで発信する時間帯別戦略が有効です。競合分析ツールで差別化ポイントを明確にし、自店の強みを打ち出すメッセージ設計が集客を拡大します。飲食店向け調査データを基に、地域特性に合わせたプロモーション計画を立案しましょう。

飲食店の集客力を高めるためのマーケティング戦略とは?

競合が激化する飲食業界では、差別化されたマーケティング戦略が集客の鍵となります。特にデジタル時代においてはCRM(顧客関係管理)の活用が重要です。ここからは、CRMとデジタルマーケティングの基本について解説します。

CRMとは?リピーターを育てる顧客関係管理の基本

CRMは「Customer Relationship Management」の略で、顧客データを活用した関係構築手法です。来店頻度や注文履歴を記録し、誕生日特典といった好みに合わせたサービスを提供します。

例えば、月3回来店の顧客には特別割引を案内するなどして、リピート率を向上させます。データ分析からは客単価向上のヒントも得られ、メニュー改善や価格設定が可能です。継続的な顧客コミュニケーションであるDMやアンケートでニーズを収集しましょう。

無料でも始められるデジタルマーケティング

現代では、多くの人が飲食店選びの際にネット情報を参照します。デジタルでのマーケティングは、より多くの顧客を取り込むために不可欠です。

無料で始められる手法として、SNS投稿やGoogleビジネスプロフィールへの登録が有効です。Instagramで料理写真を定期的に投稿したり、Googleマップに正確な営業時間を掲載したりすると、集客を促進する効果が期待できます。

注意点としては、「情報の一貫性」を保持する必要性があるというところです。全プラットフォームで、ぶれのない店舗情報を発信しましょう。

具体的なデジタルマーケティングの手法

効果的なデジタルマーケティングは多角的なアプローチが不可欠です。ここでは、以下5つの主要な手法について解説します。

  • ホームページの役割とSEOの基本

  • Instagram・XなどのSNS運用

  • Googleマップで上位表示を狙うMEO対策

  • 動画コンテンツでのファンづくり

  • グルメサイト・レビューの活用方法

ホームページの役割とSEOの基本

ホームページは、「24時間営業の窓口」としてメニューやアレルギー情報を正確に伝える役割があります。SEO対策も兼ねて、「地域名+業態」をキーワードに記事を作成しましょう。

具体的には、駅周辺ランチスポットなど地域の観光情報と連動したコンテンツを掲載し、Google検索での表示機会を増やします。更新頻度も重要で、月2回は新着情報や季節メニューを追加すると効果的です。

Instagram・XなどのSNS運用

InstagramやXなど、SNS運用の成功には、以下の時間帯に投稿することが重要です。

  • 朝|開店準備の様子を投稿

  • 昼(11時頃)|ランチメニューの紹介

  • 夜|店内の雰囲気がわかる写真の共有

加えて、ストーリー機能では限定クーポンを配布し、緊密な顧客接点を構築します。ハッシュタグは「#手作りスイーツ」など業態関連に加え、「#渋谷カフェ」などの地域タグを必ず入れると、新規顧客の獲得も見込めます。週3回以上の継続投稿で、アルゴリズムへの対応力を高めましょう。

Googleマップで上位表示を狙うMEO対策

MEO(Map Engine Optimization)対策では、まずGoogleビジネスプロフィールの情報を完成させます。営業時間・定休日・支払方法などを正確に登録し、できれば30枚以上の店内写真を掲載しましょう。

顧客レビューへの返信は48時間以内が理想です。「ご来店ありがとうございます」などの定型文でも良いので、必ず対応しましょう。上位表示のためには、月10件以上の高評価レビュー獲得が目安です。レジにQRコードを設置して来店客に投稿を依頼する方法などに取り組みます。

動画コンテンツでのファンづくり

動画コンテンツを作るときは、「3秒ルール」を意識します。最初の3秒で料理の魅力を伝えるため、チーズのとろける映像や調理の音響効果を強調しましょう。

YouTubeでは5分以内に編集したレシピ動画が視聴されやすいほか、TikTokでは15秒の早送り調理動画がよく閲覧されます。また、ライブ配信で顧客と話す機会をつくり、双方向コミュニケーションがとれればファンの獲得に効果的です。週1回の定期的な投稿でチャンネル登録者を増やしましょう。

グルメサイト・レビューの活用方法

グルメサイト対策では、店舗の基本情報を常に最新状態に保ちます。月に1回、限定クーポンなどを掲載すると、新規顧客の誘導にもつながります。

また、レビューに対する対応も求められます。悪いレビューに対しては素直に謝罪し、改善措置を伝えることが信頼回復のコツです。良いレビューには「次回は新メニューをご用意します」などの返信をして、再来店を促します。

飲食店経営でつまずきやすいポイントと改善策

ここからは、飲食店経営でつまづきやすい以下4つのポイントについて、改善策と併せて解説します。

  • なぜ集客が思うように伸びないのか?

  • 売上があっても利益が残らない理由とは?

  • スタッフが育たない・辞める職場の特徴

  • なかなかリピーターが定着しない原因

なぜ集客が思うように伸びないのか?

立地条件だけに頼った集客には限界があります。

現代ではGoogleマップを意識したMEO対策やSNSの活用が不可欠です。まずは営業時間や位置情報の正確な登録、地域特化型キーワードの設計で検索順位を向上させましょう。さらに、顧客レビューを増やす取り組みや「地元 ランチ」などのローカル検索での露出強化が効果的です。

また、Googleビジネスプロフィールに高品質な写真を追加し、定期的な投稿で新鮮な情報を提供すると、認知度向上につながります。SNSでは限定メニューの公開やイベント情報を発信し、オンラインと実店舗の接点を増やすことが重要です。

売上があっても利益が残らない理由とは?

売上高が伸びても利益が残らない場合、以下のコストの増加が原因として考えられます。

  • 仕入れコスト

  • 食材ロス

  • 人件費

この改善のためには、ABC分析で主力商品の原価率を厳密に管理し、廃棄率を5%未満に抑える工夫が必要です。

人件費では繁忙期と閑散期のシフト配分を見直し、時短アルバイトの導入で固定費を削減できます。また、心理的価格設定やコース料理の導入で客単価向上を図りましょう。定期的な損益分岐点分析で採算ラインを把握し、メニュー構成を最適化することも有効です。

スタッフが育たない・辞める職場の特徴

属人的な運営ではスタッフの成長が阻害され、離職率が高まります。解決策として、業務マニュアルを整備し、接客や調理工程を標準化しましょう。また、月1回のロールプレイング研修で応対スキルを磨き、シフト計画ではスタッフの適性に合わせた配置を心がけます。

例えば、接客が苦手なスタッフには調理補助を任せるなど、強みを活かす環境づくりが大切です。また、目標管理制度を導入し、達成時にボーナスを支給するなど、モチベーション向上の仕組みを取り入れると良いでしょう。

なかなかリピーターが定着しない原因

初回来店客をリピーターにするには、顧客体験全体の設計が鍵となります。接客では、また来たいと思わせる挨拶や会話を心がけ、メニューは季節限定品などで新鮮味を演出しましょう。フォロー施策として、来店翌日にメールで感謝を伝え、次回使えるクーポンを付与する方法も有効です。

会員制度ではポイント加算や誕生日特典を用意し、SNSで再来店キャンペーンを告知すると導線が明確になります。さらに、顧客満足度調査を実施し、改善点を迅速に反映させることで体験価値の向上を図れます。

デジタルマーケティングの活用には「STOREPAD」を!

飲食店の課題解決には、デジタルツールの導入が効果的です。特に「STOREPAD」は、飲食店にも強いオールインワンソリューションです。MEO対策やSNS発信の最適化、口コミ管理や口コミ分析まで一元化できます。

「STOREPAD」のデジタルマーケティングを活用し、データに基づく経営判断で持続的な店舗成長を実現しましょう。

お役立ち資料

店舗ビジネスの成功を左右するのは「集客」と「顧客満足度」です。店舗事業者が押さえるべき基本的な集客手法から、ポータルサイトやホームページの活用法、Googleビジネスプロフィールの攻略ポイント、SNSマーケティングの基礎知識、さらにはUGC(ユーザー生成コンテンツ)や口コミの活用まで、実践的なノウハウをぎゅっと詰め込みました。 無料でダウンロードできますので、ぜひお店の集客やマーケティングに役立ててください。

    シェアする

    監修者プロフィール

    折川 穣(Jo Orikawa)

    IXYASのCMO。ex-Google。複数のスタートアップにて営業・マーケ・CS組織を立ち上げ、SaaSのAPI連携や販売代理モデルを構築。Microsoftではパートナーと連携し、AI市場の拡大戦略を推進。MAIAの取締役COOを兼務。https://www.linkedin.com/in/jorikawa/

    記事一覧にもどる